2018年07月20日

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MENAなんでもランキング・シリーズ その4)

 

2018.7.20

前田 高行

 

3.FDI Inward Stock(FDIインバウンド残高) 

(高いFDIインバウンド残高を誇るサウジアラビア!)

(1) 2017年末のFDI Inward Stock(FDIインバウンド残高) 

(表http://menarank.maeda1.jp/4-T05.pdf 参照)

 2017年末のMENAFDIインバウンド残高(FDI Inward Stock)は総額1兆1,964億ドルであり、世界全体の残高31兆5,200億ドルに占める比率は3.8%であった。同年中の全世界のFDIインバウンドに占める割合(4.3%)より1.5%低い。

 

 残高の最も多い国はサウジアラビアの2,322億ドルであり、MENA諸国の中で唯一2千億ドルを超えている。2位はトルコで1,807億ドル、3位はUAEの1,299億ドル、4位はイスラエルの1,288億ドル、5位はエジプトの1,097億ドルでありこれら5カ国が残高1千億ドルを越えている。上位5カ国がMENA全体に占める割合は65%に達する。これら5カ国はいずれも前年度より増加しているが、トップのサウジアラビアの増加額は7億ドルにとどまっておりMENA各国の中でも増加額が極めて少ない。

 

6位以下10位まではレバノン(637億ドル)、モロッコ(627億ドル)、イラン(535億ドル)、カタール(349億ドル)、ヨルダン(339億ドル)であり、200億ドル台にアルジェリア、チュニジア、バハレーン、オマーンの4か国が並んでいる。リビア、クウェイト、シリア及びイラクは100億ドル台であり、パレスチナ自治区は27億ドル、イエメンはMENAで最も少ない26億ドルにとどまっている。

 

2017年の単年度FDIインバウンド(本レポート第1章参照)の順位と比較すると、単年度ではイスラエル1位、トルコ2位、UAE3位、エジプト4位、サウジアラビア10位であり、これに対して残高ではサウジアラビア1位、トルコ2位、UAE3位、イスラエル4位、エジプト5位である。サウジアラビアは昨年度の増加額が非常に少なかったが、これまでの累積額が他の国々に比べて多いため、引き続きインバウンド残高のトップを維持している。

 

なお日本、米国、中国の流入残高はそれぞれ2千億ドル、7兆8千億ドル及び1兆5千億ドルである。MENAトップのサウジアラビアに比べると、日本は同国よりやや少なく、米国は38倍、中国は7倍である。またMENA全体の投資残高(1兆2千億ドル)は、中国のそれよりやや少なく、日本の6倍、米国の7分の1である。

 

(続く)

 

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        前田 高行         183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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2018年07月18日

MENAなんでもランキング・シリーズ その4)

 

2018.7.18

前田 高行

 

(3) 2012-2017年の対外投資額(FDIアウトバウンド)の推移(続き)

(対外投資が飛び抜けて高いUAE)

(b)GCC6カ国の対外直接投資(FDIアウトバウンド)の推移

(http://menarank.maeda1.jp/4-G03.pdf 参照)

GCC6カ国の2012年から2017年までの対外投資(FDIアウトバウンド)を各国別に比較すると、2012年の対外投資額はクウェイトの67億ドルが最も大きく、これに次ぐのがサウジアラビア(44億ドル)であり。UAE、カタールは20億ドル前後、オマーンとバハレーンは10億ドル未満であった。

 

2013年はクウェイト、UAE及びカタール3か国が大幅に増加特にクウェイトは前年比2.5倍の166億ドルに達した。UAE及びカタールも80億ドル台の対外投資を記録した。これに対してサウジアラビア、オマーン及びバハレーンは前年横ばいにとどまっている。6カ国の中でクウェイトは各年の増減幅が極端であることが特徴で、翌2014年には一挙にマイナス105億ドルに減少、更に次の年にはプラス54億ドルとサウジアラビアとほぼ同じ水準に回復、2017年にはUAEに次ぐ81億ドルに達している。クウェイトの投資家が対外投資を場当たり的に行っているのではないかと推測される。

 

これに対してUAEは2012年以降毎年着実に増加し2015年には167億ドルと4年間で7倍弱に拡大、2016年、2017年は多少落ち込んだものの、2017年の対外投資額は140億ドルであり、2014年以降は4年間連続で100億ドルを超えており、GCC6カ国の中で飛び抜けて高い対外投資水準を示している。

 

サウジアラビアのFDIアウトバウンドは2016年には89億ドルと過去6年間で最も高くなったが、それ以外の5年間は50億ドル前後で安定した状況にある。カタールはクウェイトほど極端ではないものの、18億ドル(2012年)80億ドル(2013年)67億ドル(2014年)→40億ドル(2015年)→79億ドル(2016年)→17億ドル(2017年)と毎年投資額の増減を繰り返している。特に2016年から2017年にかけては大幅に減少しているが、これは同じGCCのサウジアラビア及びUAEがバハレーン、エジプトと共に同国に経済制裁を課したことが大きな原因であろう。

 

UAE、クウェイト及びカタールは石油・天然ガスの歳入により国内に余剰資金が溢れているにも関わらず自国の経済規模が小さいため国富ファンド(SWF)のみならず国内民間資本が欧米諸国中心に海外に向かっていると考えられる。

 

オマーンとバハレーンは過去6年間を通じて投資規模はほぼ10億ドル未満にとどまっている。両国はサウジアラビア、UAEなど他の4か国に比べ石油・天然ガスの産出量が少なく余剰資金が乏しいことがFDIアウトバンドの少ない理由である。

 

GCC各国の海外投資動向は余剰オイルマネーの額に比例し、国内経済の規模に反比例すると考えられる。つまり石油・天然ガスの生産量が多い国は多額の余剰マネーが発生しその投資先を国内外に求める。その場合人口が多く国内経済規模が大きなサウジアラビアでは国内での投資機会が多く資金は国内に向かうが、人口が少ない割にオイルマネーが豊富なUAE、クウェイト及びカタール各国は余剰資金が海外に向かう傾向がある。

 

(続く)

 

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2018年07月17日

MENAなんでもランキング・シリーズ その4)

2018.7.17

前田 高行

() 2012-2017年の対外投資額(FDIアウトバウンド)の推移

(4年連続100億ドル超の対外投資を続けるUAE)

aMENA諸国の対外直接投資(FDIアウトバウンド)

(http://menarank.maeda1.jp/4-T04.pdf 参照)

MENA地域の2012年から2017年までの対外投資額は2012年の293億ドルに始まり、その後は減少と増加を繰り返し2017年は409億ドルであった。世界全体に占めるMENAの比率は2乃至3%台を上下している。6年間を通じたMENAの対外投資額を日本或は中国と比べると各年によって変動はあるが、日本は4倍前後であり、中国はほぼ3倍である。

 

MENAの対外投資を常にリードしているGCCについては次項に詳述するが、GCC以外の主な国を見ると、まずイスラエルの対外投資額は23億ドル(2012年)→39億ドル(2013年)→45億ドル(2014年)→110億ドル(2015年) →131億ドル(2016年)→63億ドル(2017年)と2015、16年は100億ドルを超え、6年間を通じても非GCC諸国の中では高い水準を維持している。これに対してエジプトは2011年の「アラブの春」の影響を受け2012年以降は毎年2億ドル前後にとどまっており、短期間で政権交替し経済が低迷したことが対外投資に大きく影響しているようである。

 

中東でエジプトと並ぶ大国であるトルコ及びイランのうちトルコの対外投資は2012年は41億ドル、2013年は35億ドルであり、GCC産油国を除けばイスラエルと並ぶ対外投資を行っている。2014年には6年間では最も多い67億ドルに達している。最近2年間の対外投資額は20億ドル台後半でありMENA諸国の中では比較的安定した投資水準を示している。

 

(続く)

 

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