2005年03月03日

2/28 Gulf Times (Qatar)
 ラス・ラファンでハマド首長、英国アンドリュー王子臨席のもとに総額120億ドルに達する天然ガス液化プロジェクトQatargas-II (QGII)の起工式が行われた。これによりカタルのLNG設備は世界一へと近づいた。
 QGIIはカタル石油(QP)とExxonMobilが70:30で出資する合弁事業であり、2系列のLNG設備(1系列年産780万トン)が2007年後半に稼動開始の予定。製品のLNGは25年契約で英国が引き取り、このために西ウェールズ州Milford HavenにLNG受入基地が建設される。
 一連の設備は、海上生産施設をUAEのNational Petroleum Construction Co.が、陸上液化設備を千代田化工が、英国の受入施設はChicago Bridge & Iron(米)が施工する。
 カタルのNorth Fieldは埋蔵量900兆立方フィート、世界全体の9.3%を占める巨大ガス田である。

3/1 Gulf Times (Qatar)
 カタルは仏Total社及びExxonMobil社とQatargas-IIのLNG輸出に関する契約を締結した。Total社の投資額はQatargas-IIの第2系列生産設備に対する16.7%の出資及び年間520万トン、25年間のLNG引取契約を含め総額35億ドルである。
 2008年完成予定のQatargasII第二系列は年産780万トン、持分はカタル石油65%, ExxonMobil 18.3%, Total 16.7%である。 

3/1 Gulf Times (Qatar)
 カタール石油(QP)とシェル化学は年産130万トンのエタン分解装置とその関連製品製造プラント(総額20億ドル)建設に関する覚書(Letter of Intent)を締結した。なおシェルはすでに昨年7月QPとGTL(Gas-to liquid、日産14万バレル、通称Pearl GTL)に関する開発・生産分与契約を締結し建設に着手している。

at 08:48Qatar 

2005年03月02日

3/2 Gulf Daily News (Bahrain)
 バハレーンを訪問中のイラン経済ミッション(団長:シラーズ商工会議所会頭)は、バハレーン商工会議所(カヌー会頭)と懇談した。両者の共同声明書で、バハレーンにイランの貿易センター事務所を開設する計画が公表された。
 昨年のバハレーンの対イラン貿易は1,090BD(1US$=0.376BD)であり貿易総額のわずか0.5%にすぎない。

コメント:
 昨年10月にバハレーンとイランの金融合弁事業Future Bank設立が公表されるなど、最近バハレーンのイランへの接近が注目される。同国は元々対岸イランからの移住者により社会が形成され、これに対しアラビア半島から進出したハリーファ現首長家が武力で統一したと言う他のGCC諸国と異なる特質がある。従ってバハレーン政府の最近の一連の動きは両刃の剣の性格を持っている。
 まずイランとの歴史的な関係を利用してGCC諸国に対するイランのGatewayの役割を確立していこうとする側面で見るとプラスの要因であると言えよう。他のGCC各国は、UAEがイランとアブ・ムーサなど3島領土問題を抱え、またカタルはアラビア湾上でNorth Field(カタル側)とSouth Pars(イラン側)と言う同一構造のガス田の開発競争中であり資源の領有をめぐり将来の火種を抱えているなど各国ともイランとの関係強化に簡単に踏み切れない。GCC内での地位低下が顕著なバハレーンとしてはこの間隙を縫ってアラビア湾内の金融・流通の主導権を奪還するチャンスである。
 しかし一方で宗教面ではバハレーン国民の69%はイランと同じシーア派で、これをスンニー派のハリーファ家が支配する不安定な構造である。同国は過去に何度かシーア派住民の反政府暴動に悩まされている。アラビア湾沿岸にはバハレーン以外にもサウジアラビアにも多数(推定:全人口の10%程度)のシーア派住民がおり同国もその対策に頭を悩ませている。サウジアラビアはバハレーンをシーア派対策の橋頭堡と考え、そのためにこれまでバハレーンに対し各種の名目で経済的な支援を行っているほどである。従ってハリーファ家がイランとの関係強化を図ることは自らの国内的地位を不安定にしかねず、また他のGCC諸国との外交関係にも微妙な影を落とすと考えられる。


at 10:25Bahrain 

2005年03月01日

3/1 Jordan Times
 アンマンで開催された合同委員会で、ヨルダンとシリアは21件の協定及び覚書を締結した。
 昨年11月に両国はヨルダンが自国領土と主張する北部125平方キロに対するシリアの22年間にわたる占領問題について解決に達した。今回はこの国境確定協定をはじめ、テロ対策、組織犯罪対策のほか道路・水等のインフラ、環境問題等幅広い合意がなされた。
 因みに昨年の両国貿易は2.41億JD(1US$=0.7JD)であり、内訳はヨルダンのシリアからの輸入1.47億JD、同輸出0.94億JDであった。

at 09:32Jordan 

2005年02月28日

2/28 Gulf Daily News (Bahrain)
 バハレーンのサルマン皇太子がカタルを公式訪問し、ハマド首長、タミム皇太子等と会談の後、バハレーンとカタルを結ぶ海上橋(causeway)建設の覚書を調印した。海上橋は全長40KMの2車線道路で工期4年9ヶ月と見込まれている。

コメント:
 アラビア湾の島国であるバハレーンはサウジアラビアとの間にKing Fahd Causewayと呼ばれる海上高速道路があり、サウジアラビアとは車で直結している。この道路は建設費の殆どをサウジアラビアが負担して建設されたものであり、重要な経済ルートであると同時に、週末には両国市民が頻繁に往来している。禁酒国のサウジ市民にとってホテルでの飲酒やショーが許されているバハレーンは息抜きの場であり、一方バハレーン市民にとってはガソリンや日常消費財が豊富で廉価なサウジアラビアは週末ショッピングの場として利用されている。
 しかしバハレーン市内でのサウジの若者の行状は市民の顰蹙を買うことも少なくない。また有力な収入源を持たないバハレーンは、橋の建設以外にも両国国境にまたがるアブ・サーファ油田の石油収入問題などサウジに経済的に依存し、客観的に見れば従属的関係にあるとすら言える。
 バハレーン政府はこのようなサウジアラビア依存からの脱却の機会をうかがっており、米国と自由貿易(FTA)協定を締結したが、これはGCCの盟主を自認するサウジアラビアの不興を買い、昨年12月のGCCサミットで両国は激論を交わした、と伝えられている。
 今回のバハレーン、カタル両国を直結する海上橋の建設合意は、サウジアラビア政府にとって心穏やかではないと思われる。サウジアラビアとカタルの関係も国境問題およびアル・ジャジーラTVによるサウド王家に対する間接的な批判報道などでギクシャクしており、今後の3カ国の関係が注目される。


at 09:15Bahrain 

2005年02月27日

2/27 Gulf Times (Qatar)
 OPEC消息筋は、3/16にイランのイスファハンで開かれる閣僚会議でOPECの新しい価格指標が公表されるであろうと述べた。原油価格は2003年12月以降、所謂OPECバスケット価格$22-28/バレルを上回っており、市況に合わせると現在では$45.24に上昇している。
 Brent$51.39, New York$45.2に比べOPECの代表的な油種であるArab Light$43.55ブレント、Arab Heavy $39.45であり、Iran Heavy$36.95は同種のNY先物に比べて14ドルも安い。このためOPEC加盟国にはバスケット価格見直しの機運が高まっている。
 またOPECはアラムコのアブドルアジズ次官(注、サルマンリヤド州知事子息)を議長とする長期戦略委員会で計画を策定中であり、次回イスファハン会議で提議される見通しである。

at 08:17 
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