2005年09月18日

9/18 Gulf Daily News (Bahrain)
 市民活動に関する法律改正のためのワークショップで政府と民間NGOとが対立、NGO側は会議をボイコットした。会議ではDr.Fatima Al Balooshi社会問題担当相が冒頭挨拶のみで退席したため、これを怒ったNGO代表112人が会議をボイコットしたもの。
 政府主催のワークショップでは1989年に制定された法律の一部改正のみが議題として取り上げられたのに対し、NGO側は昨年9月に諮問会議で一部議員から提案された新法も取り上げるよう要求したが、政府はこれを拒否している。新法では市民活動に政治分野も含まれ、また海外からの財政支援も認めているが、現行法はこれを禁じている。

コメント:
 バーレーンは国民の大多数がかつてイランから移住したシーア派が占めており、これを少数派でスンニー派のハリーファ王家が支配しており、潜在的な不安定要因を抱えている。このような中でハマド国王は2002年に治安維持法を廃止し従来の首長制から立憲君主制に転換するなど民主化政策を推進し、米国が唱導する中東民主化の模範生になろうと躍起である。しかし少数派による王制維持と多数派シーア派国民の民主化要求と言う矛盾を抱えたままで、バーレーンの実験が成功するかどうかは極めて微妙である。


at 20:05Bahrain 

2005年09月16日

at 09:42Today's News 
9/16 Arab News (Saudi Arabia)
 訪米中のスルタン皇太子はニューヨークでの米・サウジ・ビジネス協議会で、現在の油価高騰の原因は原油供給の逼迫ではなく、石油製品の需要増加及び製油所能力の不足によるものである、と語った。またサウジアラビアの原油生産は日産1,100万バレルの水準にあり、2009年までには1,200万バレルになるとも述べた。
 既にOPEC議長(クウェート石油相)は来週ウィーンで開催される総会で50万B/Dの増産を提案すると言明しているが、これに対しカタール石油相はこの程度の増産では価格は低下しないであろうと述べている。
 増産余力があるのはサウジアラビアのみであるが、増産原油は中・重質で硫黄分の高い原油であるため、多くの製油所は処理が困難な問題がある。カタール石油相は高度な改質装置を有する製油所が世界的に不足していることを指摘している。

コメント:
 スルタン皇太子の本格的な訪米は久しぶりのことである。これまでは国内テロ対策に専心し、対米外交はアブダッラー皇太子及び息子のバンダル駐米大使(いずれも当時)に任せていた。アブダッラーが国王となりナンバー2として今後とも外交に積極的に関与するのかどうか、サウド外相、トルキ駐米大使のファイサル兄弟との関係が注目される。
またスルタン皇太子は石油価格高騰については、製油所の不足が原因であると言うOPEC産油国のかねてからの主張を展開した。サウジアラビアは原油生産余力のある唯一の産油国であるが、増産原油は重質・高硫黄であり製油所は高度改質装置が必要であり、同装置を有する日本の製油所が注目を浴びるものと思われる。昨日、昭和シェル石油が、富士石油(同社袖ヶ浦製油所は改質装置を有し重質油の処理に適している)を傘下におくAOCホールディングに資本参加することが発表されたが、サウジアラムコは昨年昭和シェル石油に資本参加しており、アラムコの戦略にも資するものと思われる。


at 09:36Saudi Arabia 

2005年09月15日

at 13:31Today's News 
9/15 Kuwait Times
 クウェート株式市場が史上初の10,000ポイントの大台を突破した。指数は昨年末の6,409から56.4%も上昇した。クウェート株式市場はGCC6カ国の中ではサウジアラビアに次ぐ規模であり、150銘柄の時価総額は1,160億US$に達している。
 原油価格の高騰と国家財政の大幅な黒字により株式市場は加熱状態である。市場筋の見方は分かれており、株の基調はなお強く他国の市況に比べてまだ低い、と言う強気の見方の一方で、現在の株価水準は実態を過大評価したもので投機の様相を示している、との警戒感もある。


at 13:29Kuwait 
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