2005年02月

2005年02月23日

2/23 Khaleej Times (UAE)
 米国Bechtel社は仏Technip, 日本の千代化、日揮を退けて、Gasco(Abu Dhabi Co. for Gas Industries)から総額14億ドルのHabshan Gas開発プロジェクトを受注した。同プロジェクトは、原油12.5万B/D、LNG1.2万トン及びエタンガス3,200トンを2008年第1四半期から生産することを目指している。

注:Bechtelはカタル新国際空港建設工事も受注。(1/12 Gulf Times参照)

at 13:48UAE(Abu Dhabi, Dubai) 
2/23 Arab News (Saudi Arabia)
 21日に閉会した第6回Jeddah Economic Forum(JEF)は、昨年の会議でオラヤン財閥CEOルブナ女史、ラニア・ヨルダン王妃、ムバラク・エジプト大統領夫人を含め多数の女性が参加したのに比べて、今回は高名なアラブ女性の参加も無く、対照的なギャップを示した。
 会議に参加した外国人女性ジャーナリストからも、男性参加者に対する取材を制限された、との不満があった。昨年の会議で女性講演者の素顔の写真が紙面に出たことがその後国内で物議を醸した経緯がある。主催者は、自身ではコントロールできない状況であった、と釈明している。

コメント:
 第6回目を迎えたJeddah Economic Forum(JEF)は曲がり角に差し掛かったようである。今回の会議は二つの点で失敗ではなかったかと考える。一つは女性が参加に消極的であったことであり、もう一つは政府のプロパガンダに利用された節が見られることである。
 昨年の会議で女性の素顔の写真が報道され、その後保守層からバッシングがあった模様である。このため今回は国内の女性経営者をはじめ他国の有力なアラブ人女性からボイコットされた。またArab Newsを読む限りでは地元ジェッダの有力経済人の発言も殆ど報道されなかった(これは同紙のスポンサーがサウド家のサルマン一族であることも理由であろうが)。会議のテーマの一つがサウジ人化(Saudization)問題であったように内向きの姿勢が強く、WTO加盟、経済の透明性確保、女性の社会参加を含む民主化努力など対外的に重要な時期でありながら、理念と現実のギャップを埋める具体的な議論や提案は余り無かったようである。
 リヤドでもかつてジェッダに対抗してForumを開催したが、世界に目を向けた会議として一定の評価を得たJEFには遠く及ばなかった。それはジェッダの経済人の誇りでもあったと思われる。しかし今回ジェッダの経済人はJEFに一歩距離をおいているように感じられる。ジェッダ経済界の重鎮であり、良い意味でリヤド政府と対抗して来たダッバーグ氏が数日前に死去した。このあたりも今回のJEFに影を落としているのかもしれない。


at 13:32Saudi Arabia 

2005年02月22日

2/22 Arab News (Saudi Arabia)
 来訪中のノルウェー石油相がナイミ石油相とエネルギー問題について幅広い意見交換をした。会談後の記者会見における両大臣の発言は概略以下のようなものであった。

ナイミ・サウジ石油相:
・サウジは不測の需要に備えて常に150-200万バレル/日(BPD)の余剰生産能力を維持している。
・現在の生産水準は9百万BPDであるが、2008-9年までには1250万BPDに増産する計画である。
・油田の可採埋蔵量は50-100年あり、次世代にも十分残せる。
・国内油田は80以上あるが実際に生産しているのは20以下である。
・現在稼働中のリグの90%はサウジ・アラムコ所有ではない。
・原油価格が50ドルになっているが、価格を決めるのはわが国のような生産者ではなく市場である。

Ms. Thorhildノルウェー石油相:
・ノルウェーはOPECに加盟するつもりはなく、将来の政治課題でもない。
・北海、北極圏は自然及び環境問題が厳しいので原油価格水準は生産者にとってattractiveなことが必要である。
・一方、原油価格は世界経済の成長を阻害しない水準であることが望ましい。どのような価格水準が妥当かはコメントできない。

at 08:24Saudi Arabia 

2005年02月21日

2/21 Arab News (Saudi Arabia)
 第6回JEF(Jeddah Economic Forum)の分科会(モデレーター:サウジ最高観光評議会議長Sultan殿下)において、ゴサイビ労働相は民間部門が毎年12万人のサウジ人を雇用することで5年以内に失業問題は解消すると述べ、また国内観光産業は急激に拡大し若者の雇用を創出すると語った。
 また同相は、民間部門はこれまで外国人労働力に頼ってきたが、政府は3年間で30万人の若者の職業訓練を行っており、民間経営者は外国人雇用をもはや過去のこととしてサウジ人雇用に現実的に取り組むべきである、と述べた。
 JEF第2日目ではマレーシア首相が基調講演し、同国でも2百万人の外国人労働者の半減を目指しているが、重要なのは幼児教育から手をつけることである、と述べた。

コメント:
 サウジの若者の失業問題はいよいよ深刻度を増している。政府は若者に対する職業訓練やサウジ人を雇用する企業に対して助成金を出すなど、民間部門の雇用促進に躍起となっており、また現在700万人とも言われる安価で良質な外国人労働力に頼る民間部門に対してビザ発給制限を盾に強い圧力をかけている。
 マレーシア首相の講演は、自国民化の鍵が幼児時代からの教育にあると述べているが、これは暗にサウジの教育制度を批判しているとも受け取れる発言である。厳しい競争に晒されている民間部門は労働者に対して適切な(できるだけ低い)賃金と勤勉さ(職業倫理観:work ethics)を要求している。これは現在のかなりのサウジの若者に欠如している資質であり、事実、若者は低賃金労働を嫌い特に物流・サービス業では離職率が高い。最近、ゴサイビ労働相がタクシー運転手の100%サウジ人化の3年間延期を決定したのも(2/12付け記事参照)その一例である。現状では、賃金が低い割に高度なサービスを要求される観光産業でサウジ人化が成功する可能性は低いと言わざるを得ない。政府が無理なサウジ人化を進めた場合、民間経営者との対立が深まり、同時に一般国民はサービスの低下に戸惑い国内のサービス経済が縮小する恐れすらある。
 ただ政府当局としては失業による社会不安を最も恐れている。政府が狙っている民間経済の拡大と失業対策としてのサウジ人化は短期的には二律背反の問題であるが政府に選択の余地はなさそうである。また政府としてはこのような厄介な問題は王族閣僚にはなじまず、泥をかぶるのはゴサイビ大臣のような民間出身のテクノクラート大臣しかないのかもしれない。


at 22:46Saudi Arabia 

2005年02月20日

2/20 Jordan Times
 内閣はAwadallah大臣(Planning & International Cooperation省)の辞任申し出を了承、後任は未定であるが同省のTayseer長官が大臣代理に就任するものと予想されている。
 Awadallah大臣の辞任理由は明らかにされていないが、外国からの援助資金の使途について国会で追及されており、一部では彼の独断専行を非難する声もあった。
 Awadallah氏は40歳、ロンドン留学後外資系金融機関に勤務し1999年に首相の経済アドバイザーに任命され、2001年に現在の地位に就任した。

at 16:20Jordan 
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