2007年05月

2007年05月20日

at 15:56Today's News 

2007年05月19日

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2007年05月17日

第5回:もしサウジアラビアに原発を造るなら(その1)― 立地は紅海沿岸か?

 サウジアラビアはGCCサミットで核の共同研究を提案した。加盟国間の格差が広がり結束に乱れを見せ始めたGCCを一本にまとめてゆくため、盟主であるサウジアラビアが持ち出した新たなアイデアである。

 核の利用はサウジアラビア自身の強い願望でもある。同国は人口の急増と急速な都市化の進展のため、電力と水が慢性的に不足しており、ジェッダなどの大都市では夏場の需要期に停電と断水が恒常化している。その対策として発電所及び海水淡水化プラントを次々に建設している。その燃料には豊富に産出する石油或いは天然ガスを使用しているが、これらの燃料は貴重な外貨獲得源でもあり、できる限り輸出に回したいと考えるようになっている。核エネルギーにより発電し、その余熱で海水を淡水化すると言うのがサウジアラビアの核利用の目的であり、GCC共同体による核の共同研究はその端緒を開くためである。

 これまでに述べたとおりサウジアラビアが原子力発電所(原発)の建設にこぎつけるまでには数々の障害がある。同国がそれらの障害を克服して何時建設に着手できるかは今のところ予測がつかない。ここでは同国の原発計画が実現すると仮定して、その建設場所、技術導入の相手国、原子炉・発電及び造水の複合プラントの運営方法等について、筆者なりの推論を述べてみたい。

(1) 建設地は紅海沿岸の臨海地か?

256px-red_sea.png これまでにも触れたとおり建設されるプラントは、原発と造水装置を一体化した複合プラントであることは間違いない。原発には大量の冷却水が必要であり、また造水装置は海水を淡水化するものである。従ってプラントの建設地はアラビア(ペルシャ)湾或いは紅海に面した臨海地となる。また原子炉は住民の不安感が大きいため過疎地のほうが無難である。更にサウジアラビアの場合は近隣国(特にイランとイスラエル)に対する慎重な配慮が必要である。

 アラビア(ペルシャ)湾と紅海の二つの海に面したサウジアラビアが、このいずれを適地と考えるかと言えば、恐らく紅海側であろう。アラビア湾沿岸には最奥部のクウェイトに始まり、バハレーン、カタル、UAE及びオマーンとGCCの同盟国が海岸沿いに位置している。そしてアラビア湾は世界最大の油田地帯であり、多数のタンカーが往来している。万一原発事故が起った場合、問題はサウジ一国にとどまらずGCC及び対岸のイランに計り知れない影響を及ぼす。さらにアラビア湾のタンカー航行に支障が出れば世界のエネルギー需給にまで響きかねない。その点、紅海側の海岸線はその殆どがサウジアラビア領土であり、南にイエメン、対岸にエジプトなどがあるものの、アラビア湾ほど人口が密集していない。また南部は山岳地帯であり、平坦なアラビア湾側に比べ内陸への影響が少ないことも原発立地に向いていると思われる。

 但し紅海側はイスラエルに近いと言うことが問題かもしれない。イスラエルはイラクの原発を空爆したことでも解るとおり、周辺国の核施設には敏感である。かと言ってアラビア湾側に建設すればイランを刺激することは間違いない。この問題は結局イスラエルとイランのいずれに対してより慎重な配慮をする必要があるか、と言うサウジアラビアの判断にかかっている。現在及び近い将来の地域の地勢力学を比較検討すると、サウジアラビアはイスラエルよりもイランと事を構えることに慎重になるものと思われる。アラビア湾を挟むイランとサウジアラビアは200KM程度の至近距離にあり、ごく些細なことで一気に緊張が高まる。しかし南部の紅海出口近くであればイスラエルとは2千KM近く離れている。サウジアラビアとしては紅海側とするのが無難であろう。

 さらに国内的に見ると、現在ジェッダなど紅海側の大都市で深刻な電力不足、水不足の状態にあり、発電所、造水プラントの建設が急務であることも理由にあげることができる。

 以上のような点を総合すると、サウジアラビアの原発建設地は、同国南西の紅海沿岸部と予測されるのである。

(続く)

(これまでの内容)
第4回:原発実現に横たわる数々の障害
第3回:最終目標は原発による発電・海水淡水化プラント建設
第2回:イラン核疑惑問題の最中に敢えて打ち出した真意
第1回:核の共同研究を打ち出したGCCサミット

(今後の予定)
第6回(最終回):もしサウジアラビアに原発を造るなら(その2) - 技術はフランスから?


at 21:05Saudi Arabia 
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(ドバイ)ドイツ銀行の第5位の株主に
(サウジ)マッカ州知事にハーリド・ファイサル前アシール州知事任命  *

*ハーリド・ファイサル王子は故ファイサル国王子息、サウド外相の異母兄
 「サウド家家系図」参照

at 10:01Today's News 

2007年05月16日

at 20:08Today's News 
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