2009年02月
2009年02月16日
各項目をクリックすれば各紙（英語版）にリンクします。
(UAE)債務の総合的検討のための部局新設を閣議決定
(ドバイ)世界不況が影を落とす「世界不動産ショー」
(カタル)QP副総裁「人員削減はしない」：日本との合同セミナーで言明
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2009年02月14日
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(一般)ｲｽﾗﾑ諸国の企業番付(DS100)：サウジ・アラムコが今年も1位 ＊
(サウジ)大都市の人口集中進む、ジェッダでは年率20-28%も増加
＊ＤＳ１００のホームページ
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MENA(中東・北アフリカ)２２カ国の国防支出と兵力ランキング」
東はアフガニスタンから西はモーリタニアまでのMENA(中東・北アフリカ)２２カ国をいろいろなデータで比較しようと言うのがこの「MENAなんでもランキング・シリーズ」です。「MENA」は日頃なじみの薄い言葉ですが、国ごとの比較を通してその実態を理解していただければ幸いです。
第１８回のランキングは、世界の軍事分析で有名な英国のシンクタンク「国際戦略研究所(International Institute for Strategic Studies)」が発表した「The Military Balance 2008」についてMENA諸国をとりあげて比較しました。
１．国防費の比較
Military Balance 2008ではMENA２２カ国１機関のうちイラク及びパレスチナ自治区を除く２１カ国について２００６年の国防費総額が示されている。
最も国防費が大きい国はサウジアラビアの２９５億ドルである。これに次いで多いのはトルコの１１６億ドルであるが、１位のサウジアラビアの二分の１以下である。トルコとほぼ同じ規模がイスラエル（１１０億ドル）及びUAE（９５億ドル）で、第５位にイラン(７２億ドル)と続いている。これら５カ国がMENA諸国で軍事支出が多いベスト５である。６位以下は支出額が５０億ドル以下であり、６位エジプト(４３億ドル)、７位クウェイト(３５億ドル)、８位オマーン(３３億ドル)となっている。上位８カ国のうちサウアラビア以下GCCが半数の4カ国を占めており、またイランを加えると産油国は５カ国に達する。このような中で非産油国のトルコとイスラエルが２位と３位であり、両国が地域の国防大国であることを示している。
一方国防費が最も少ないのはモーリタニア、アフガニスタンであり、またリビア、レバノン、バハレーン、スーダン及びチュニジアの５カ国は５億ドル前後にとどまっており、サウジアラビアの６０分の１、トルコ、イスラエルの２０分の１に過ぎない。
国民一人当たりの国防費でみると、UAEが３，６００ドルで最も多く、２，６００ドルのカタールがこれに続いている。この2カ国は他のMENA諸国に比べて際立って多い。これら2カ国についで多いのがイスラエル（１，７００ドル）、クウェイト（１，４００ドル）、サウジアラビア及びオマーン（各１，１００ドル）、バハレーン（７６１ドル）である。上位７か国中イスラエル以外の６カ国はGCCの構成国である。
一方、これら７カ国以外ではヨルダンの一人当たり国防費が１８９ドルであり、トルコ（１６５ドル）、レバノン（１５２ドル）、イラン（１１０ドル）と続いており、上位７カ国とは大きな格差がある。そしてそれら以外の国はエジプト（５５ドル）を含め一人当たり国防費は１００ドル未満にとどまっている。
(詳細は図「MENA各国の国防費（総額と一人当たり、２００６年）」参照)
２．兵力の比較
MENA諸国の中で兵員数が最も多いのはイランの５５万人であり、ついでトルコ（５１万人）、イラク(５０万人)、エジプト(４７万人)がいずれも５０万人前後の兵力を抱えている。イラン、トルコ、エジプトの人口はほぼ同規模の７千万人前後であり、兵員数も拮抗している。
これら４カ国の兵力は際立って多く、第４位のシリア(２９万人)やサウジアラビア（２２万人）を大きく上回っている。イスラエルの兵力は１８万人であり、サウジアラビア、モロッコに次ぎ、MENA２２カ国の中では第８位である。国防費(上記)では上位を占めているＧＣＣ諸国はサウジアラビアを除くといずれも人口が少ないため、これに比例して兵力も少なく、MENAグループの中では下位グループに位置している。ちなみに各国の兵力はUAE（５．１万人）、オマーン(４．３万人)、クウェイト(１．６万人)、カタール(１．２万人)、バハレーン（０．８万人）である。
人口と兵力の比率で見ると、人口百万人当たり兵員数が最も多いのはイスラエルの２５人であり、同国が軍事大国であることがわかる（なお人口は国連食糧計画UNFPAのデータによる）。これに続くのがイラク（１６．８人）、ヨルダン（１６．６人）、オマーン（１５．９人）、カタール（１５．０人）である。その他シリア、リビア、レバノン、UAE、バハレーンの各国は人口百万人当たりの兵員数が１０人を超えている。クウェイトは５．５人にとどまっており、国防費総額及び一人当たりの国防費の高さに比べ（上記１参照）、他のＧＣＣ諸国と大きく異なっている。(詳細は表「MENA各国の兵力」参照)
以上
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp
東はアフガニスタンから西はモーリタニアまでのMENA(中東・北アフリカ)２２カ国をいろいろなデータで比較しようと言うのがこの「MENAなんでもランキング・シリーズ」です。「MENA」は日頃なじみの薄い言葉ですが、国ごとの比較を通してその実態を理解していただければ幸いです。
第１８回のランキングは、世界の軍事分析で有名な英国のシンクタンク「国際戦略研究所(International Institute for Strategic Studies)」が発表した「The Military Balance 2008」についてMENA諸国をとりあげて比較しました。
１．国防費の比較
Military Balance 2008ではMENA２２カ国１機関のうちイラク及びパレスチナ自治区を除く２１カ国について２００６年の国防費総額が示されている。
最も国防費が大きい国はサウジアラビアの２９５億ドルである。これに次いで多いのはトルコの１１６億ドルであるが、１位のサウジアラビアの二分の１以下である。トルコとほぼ同じ規模がイスラエル（１１０億ドル）及びUAE（９５億ドル）で、第５位にイラン(７２億ドル)と続いている。これら５カ国がMENA諸国で軍事支出が多いベスト５である。６位以下は支出額が５０億ドル以下であり、６位エジプト(４３億ドル)、７位クウェイト(３５億ドル)、８位オマーン(３３億ドル)となっている。上位８カ国のうちサウアラビア以下GCCが半数の4カ国を占めており、またイランを加えると産油国は５カ国に達する。このような中で非産油国のトルコとイスラエルが２位と３位であり、両国が地域の国防大国であることを示している。
一方国防費が最も少ないのはモーリタニア、アフガニスタンであり、またリビア、レバノン、バハレーン、スーダン及びチュニジアの５カ国は５億ドル前後にとどまっており、サウジアラビアの６０分の１、トルコ、イスラエルの２０分の１に過ぎない。
国民一人当たりの国防費でみると、UAEが３，６００ドルで最も多く、２，６００ドルのカタールがこれに続いている。この2カ国は他のMENA諸国に比べて際立って多い。これら2カ国についで多いのがイスラエル（１，７００ドル）、クウェイト（１，４００ドル）、サウジアラビア及びオマーン（各１，１００ドル）、バハレーン（７６１ドル）である。上位７か国中イスラエル以外の６カ国はGCCの構成国である。
一方、これら７カ国以外ではヨルダンの一人当たり国防費が１８９ドルであり、トルコ（１６５ドル）、レバノン（１５２ドル）、イラン（１１０ドル）と続いており、上位７カ国とは大きな格差がある。そしてそれら以外の国はエジプト（５５ドル）を含め一人当たり国防費は１００ドル未満にとどまっている。
(詳細は図「MENA各国の国防費（総額と一人当たり、２００６年）」参照)
２．兵力の比較
MENA諸国の中で兵員数が最も多いのはイランの５５万人であり、ついでトルコ（５１万人）、イラク(５０万人)、エジプト(４７万人)がいずれも５０万人前後の兵力を抱えている。イラン、トルコ、エジプトの人口はほぼ同規模の７千万人前後であり、兵員数も拮抗している。
これら４カ国の兵力は際立って多く、第４位のシリア(２９万人)やサウジアラビア（２２万人）を大きく上回っている。イスラエルの兵力は１８万人であり、サウジアラビア、モロッコに次ぎ、MENA２２カ国の中では第８位である。国防費(上記)では上位を占めているＧＣＣ諸国はサウジアラビアを除くといずれも人口が少ないため、これに比例して兵力も少なく、MENAグループの中では下位グループに位置している。ちなみに各国の兵力はUAE（５．１万人）、オマーン(４．３万人)、クウェイト(１．６万人)、カタール(１．２万人)、バハレーン（０．８万人）である。
人口と兵力の比率で見ると、人口百万人当たり兵員数が最も多いのはイスラエルの２５人であり、同国が軍事大国であることがわかる（なお人口は国連食糧計画UNFPAのデータによる）。これに続くのがイラク（１６．８人）、ヨルダン（１６．６人）、オマーン（１５．９人）、カタール（１５．０人）である。その他シリア、リビア、レバノン、UAE、バハレーンの各国は人口百万人当たりの兵員数が１０人を超えている。クウェイトは５．５人にとどまっており、国防費総額及び一人当たりの国防費の高さに比べ（上記１参照）、他のＧＣＣ諸国と大きく異なっている。(詳細は表「MENA各国の兵力」参照)
以上
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前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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