2010年06月
2010年06月20日
(イエメン)アルカイダ、アデンの政府施設襲撃、仲間を連れ去る
(サウジ)国王外国歴訪へ、G20会議出席後、米仏も訪問。
(クウェイト)母方の叔父が第12代首長の孫サーレム殿下を射殺 *
*サバーハ家家系図参照
2010年06月17日
(注)HPマイライブラリー(前田高行論稿集)に全文一括掲載しました。
MENA(中東・北アフリカ)22カ国の平和指数(2010年版)(下)
3.2008年~2010年の比較
平和指数は2007年に始めて公表されたものであり、今回で4回目であるが、2008年以降今回までの過去3ヵ年の順位を比較するといくつかの大きな変動が見られる。調査対象国の数が3ヵ年で異なるため(08年140カ国、09年144カ国、10年149カ国)単純には比較できないが、概略以下のような特徴が見られる。
まずカタール、オマーン、UAE、クウェイト及びチュニジアの上位5カ国の顔触れは3ヵ年を通して変わらず、これらの国の平和度が安定していることを示している。5カ国の中ではカタールは08年にはオマーンに次いでMENA2位であったが、09年及び10年はトップである。また08年、09年と2年連続3位であったUAEは今回5位に落ちている。
世界ランクで見た場合、カタールは一昨年の33位から昨年16位、今年は15位と平和度が飛躍的に向上し世界上位で安定していることは注目される。またチュニジアは47位(08年)→44位(09年)→37位(10年)と毎年順位を上げ、またクウェイトも45位(08年)→42位(09年)→39位(10年)と着実に順位を上げ平和度が改善していることがうかがわれる。
MENA5位以下の上位グループではエジプトが69位(08年)→54位(09年)→49位(10年)と順位を上げている。これに対してリビアは08年から09年には世界順位が61位から46位へと大幅に上昇したものの、10年には56位に落ち、3年間の順位の変動が激しい。バハレーン(74位→69位→70位)、ヨルダン(65位→64位→68位)もリビアと同様ランクが上下動している。
世界順位100位以下の下位グループではシリアとイエメンの凋落が激しい。シリアは08年の順位が75位であり上位グループにいたが、09年92位、10年115位と順位が大幅に落ち込んでいる。イエメンも同様に106位(08年)→119位(09年)→129位(10年)でありMENA22カ国における同国の順位も13位→15位→17位と落ちている。イエメンではイスラムテロ組織「アラビア半島のアル・カイダ」が暗躍し、またサウジアラビアとの国境地帯で反政府部族が国境を越えた軍事活動を展開、サウジアラビア政府軍と軍事衝突を引き起こすなど治安が悪化しており、これらのことがランクの下落につながっている。
イスラエルは08年が140カ国中の136位、09年は144カ国中140位、10年は149カ国中144位といずれも最下位に近い状態である。スーダン、アフガニスタンもほぼ同じような状況である。そしてイラクは3カ年を通じて世界最下位であった。
以上
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