2010年11月

2010年11月28日

砂漠と海と空に消えた「ダビデの星」(3)

バーチャル管制:砂漠に消えた二番機(中)
快晴にもかかわらず「ブルジュ・ハリーファ」は先端部分が少し霞んで見えた。大都会ではスモッグのため地上が霞むことは珍しくないが、超高層ビル全体がかすんでいる。「マフィア」は魔法の絨毯に乗って千夜一夜の不思議な世界を覗いたような気持ちで眺めていた。その大都会のすぐ先はもう砂漠である。人々はその砂漠を「ルブ・アルハリ」と呼ぶ。アラビア語で「空白の四分の一」を意味する広大な砂漠である。アラビア半島の四分の一を占め、ごく最近まで満足な地図すら無かった空白地帯ということから名付けられたのである。

戦闘機が向かうその砂漠は今、地上と空が一体となった赤茶けた幕に覆われ地平線が見えない。そしてその幕が海岸線にひしひしと近づきつつあった。この時期特有の「砂嵐」の襲来である。超高層ビルがかすんで見えたのはその前兆だったのだ。2機の戦闘機はその砂嵐に突っ込もうとしている。こんな砂漠のど真ん中にジェット機が着陸できるような滑走路があるのだろうか?「マフィア」は恐怖と不安に駆られて先導の米軍機に行き先を確かめたい衝動に駆られた。しかしこちらからの交信は禁じられており、先導する米軍機はまるで何事もないかのように高度を下げつつ砂嵐の中へと突き進んでいった。「マフィア」は観念し黙って追走した。

砂嵐の中に突入すると猛烈な逆風のため機体は木の葉のように揺れ、真昼間と言うのに夕暮れ時のように暗くなり時々先導の米軍機を見失うほどであった。高度計が地上まで数百メートルを示したその時、先導機から呼びかけがあった。
「この先に誰も知らない米軍の滑走路があり、貴機はそこに緊急着陸してもらう。ここから先は基地の地上管制官が誘導するので周波数を○○ヘルツに切り替えよ。当機は所属基地に戻る。グッド・ラック。」

言い終えた米軍機は機首を左斜め上方に向けて「マフィア」の視界から飛び去っていった。入れ替わりに今度は管制官の声が飛び込んできた。

「こちら管制塔。こちら管制塔。貴機がこちらに向かっているのをレーダーで確認した。着陸準備体制に入りそのまま直進せよ。」

砂嵐で視界は殆どゼロのため管制官の誘導だけが頼りである。「マフィア」は微塵も疑わず管制官の指示に従ってずんずんと高度を下げた。

 (続く)

(この物語は現実をデフォルメしたフィクションです。)

荒葉一也:areha_kazuya@jcom.home.ne.jp

 



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(UAE)来年のGDP成長率3.5%の見込み:経済相  *
(カタール)初の5カ年(2011-2016)開発計画を来年第一四半期に公表予定

*マイ・ライブラリ「MENAのGDP比較(2010年10月版)」参照


drecom_ocin_japan at 10:30コメント(0)トラックバック(0)今日のニュース 

(注)本レポートは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0163MenaRank13.pdf

(MENAなんでもランキング・シリーズ その13)

5.2008~2011年のMENA域内の順位の推移
(表「ビジネス環境ランキング2008-2011年」http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/5-13b2008-2011.gif 参照
 2008年から2011年の4カ年について各国のMENA域内の順位を見ると、サウジアラビアが4カ年連続してMENAトップの評価を得ている。これに次いで2位がバハレーン、3位はイスラエルであり、この3カ国が連続してトップ3を占めている(但しバハレーンがランク付けされたのは2009年以降)。

 これに続くのはUAEとカタールである。上位5カ国のうちイスラエル以外の4カ国はGCCを構成する国々であり、残るオマーン及びクウェイトもMENAの上位グループを占めている。但しクウェイトは2008年の3位(この年はバハレーン、カタールはランク対象外)から09年及び10年には6位、そして今回は9位に転落しており、ビジネス環境が悪化している。

 クウェイトのように年を追ってランクが下落している国はレバノン(8位→11位→13位→13位)である。一方順位を上げている国はUAE(6位→5位→4位→4位)、チュニジア(9位→9位→8位→6位)及びエジプト(13位→13位→12位→10位)などがある。

6.主要国の世界順位の推移
 サウジアラビア、イスラエル、トルコ及びエジプトの4カ国に日本及び中国を加えた6カ国の2008~2011年の世界順位の推移を見ると(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/5-13d2008-2011.gif参照)、サウジアラビアは2008年には世界23位であったが、その後09年は16位、10年は13位と毎年順位を上げ今回は11位に躍進しトップテン入りが目前である。これに対し日本は08年、09年と連続して世界12位であったが、2010年には15位に下がりサウジアラビアに追い抜かれている。そして今回はさらに順位を落とし18位にとどまった。

 UAEとトルコを比べると2008年はトルコの57位に対してUAEは68位でありトルコが上位であった。しかし、その後09年から10年にかけてトルコは59位、73位と低落傾向を示し、一方のUAEは46位、33位と躍進し両者の立場は逆転した。今回はUAEがランクを落とし(40位)、トルコが若干順位を上げた(65位)ため両者の差は縮まっている。

 エジプトは08年の126位以降、114位(09年)、106位(10年)と世界100位以下であったが、今回は94位に上がり4年連続して順位を上げている。前回から今回にかけてはサウジアラビア、トルコ、エジプトがいずれも順位を上げている中でUAEのみ順位が下落しており、ドバイ・ショックによるUAEの凋落が際立っている。

 なお中国の国際順位は83位(08年)→83位(09年)→89位(10年)→79位(11年)であり、トルコとエジプトのほぼ中間である。 

(完)

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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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drecom_ocin_japan at 08:56コメント(0)トラックバック(0) 
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