2011年07月

2011年07月23日

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http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0191MuslimPopulation.pdf

2.非ムスリム国のムスリム人口:米英仏独に3~5百万人

(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-I-2-91MuslimPopulation1990,2010&2030.pdf参照)
 2010年の世界人口69億人のうち、ムスリムは16億人であり、世界人口に占めるムスリムの比率は23%と推定される。つまり世界のほぼ4人に1人がムスリムである(因みに世界で最も信者数が多いのはキリスト教徒で20億人超)。


 非イスラム国のうちムスリム人口が多いのは上述のとおりインドと中国である。インドのムスリムは1.77億人、世界で3番目に多く、中国も世界18位2,330万人のムスリムを抱えている。またロシアのムスリムは中央アジアを中心に1,640万人である。このほか欧米先進国にも多数のムスリムがおり、その数はフランスが470万人、ドイツ410万人、英国290万人、米国260万人と推定されている。


 ムスリム人口ではインドが飛びぬけて多く、中国及びロシアもそれぞれ2千万人前後を抱えている。一方米英独仏の4カ国はいずれも3~5百万人であり3カ国に比べて一桁以上少ない。しかし各国の全人口に占めるムスリムの比率を比べると若干様相が異なってくる。インドのムスリム人口比率は15%であり、比率の面でも7か国のトップであるが、2番目に比率が高いのはロシアであり、同国のムスリム比率は12%である。これに次ぐのがフランス(7.5%)であり、以下ドイツ(5.0%)、英国(4.6%)、中国(1.7%)、米国(0.8%)の順である。


 欧米各国にムスリムが移住した経緯はさまざまであるが、フランスの場合はアルジェリア、チュニジアなどの北アフリカ・マグレブ諸国からの移民が多い。またドイツはトルコから、英国はパキスタンからの移民が多い。これらはいずれもかつての植民地である。世界各国から移民が集まる米国の場合はイスラム諸国からの移民も少なくない。さらにかつてのアフリカ西海岸のイスラム圏から送られた奴隷の子孫がキリスト教からイスラム教に改宗する例もあり(例えば、ボクシングのモハメッド・アリのケースなど)、米国内のムスリムは増加していると言われる。


  フランスはこれまで移民に対して比較的寛容であったため急増した。同国のムスリム人口は1990年に57万人であったが、2010年には8.2倍の470万人に激増し、全人口に占める比率も7.5%に達している。ドイツや英国もほぼ似たような形で過去20年間にムスリムが急増して全人口の5%を占めるようになっている。仏独英は第二次大戦前の植民地時代からの深い関係に加え経済成長時代にかつての植民地を安い労働力の供給源とみなして移民を奨励してきた。これらの国々でイスラムに関連する問題が続出している背景にはこのような歴史的な事情があると見て間違いないであろう。


 これに対し中国及び米国は全人口に占めるムスリムの比率がかなり低い(中国1.7%、米国0.8%)。中国については少数民族のムスリムに対する弾圧が問題視しされ、これに対して中国政府は内政干渉と反発している。また米国では国内で強硬なイスラムテロ対策が行われている。このため将来両国でムスリムに関連した大々的な騒擾事件が起こるとは考えにくい。


(続く)


本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
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2011年07月22日

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http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0191MuslimPopulation.pdf

 本稿は米国ワシントンに本部を置く調査機関Pew Research Centerが公表した「The Future of the Global Muslim Population、Projections for 2010-2030」に基づき、世界のイスラム教徒(ムスリム)の人口動態を分析したレポートである。なお各国の総人口については国連人口基金(UNFPA)のデータを使用している。

*Pew Research Center Homepage:http://pewresearch.org/
  The Future of the Global Muslim Population, Projections for 2010-2030:
http://pewresearch.org/pubs/1872/muslim-population-projections-worldwide-fast-growth


1.2010年のムスリムの人口:国別ではインドネシアがトップ
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-I-2-91MuslimPopulation1990,2010&2030.pdf参照)
 2010年の全世界のムスリムは16億人と推定される。これを国別に見ると最も多いのはインドネシアの2億5百万人であり、全体の13%を占めている。インドネシアに次いで多いのはパキスタン(1.78億人)、インド(1.77億人)及びバングラデシュ(1.5億人)である。これら4カ国がムスリム人口1億人以上の国であり、4カ国だけで世界のムスリムの約半数(45%)に達する。第5位から10位までは、エジプト(8千万人)、ナイジェリア(7,570万人)、イラン(7,480万人)、トルコ(7,470万人)、アルジェリア(3,480万人)、モロッコ(3,240万人)である。


 更に11位以下20位までの国を列挙すると以下のとおりである。
 イラク(3,110万人)、スーダン(3,090万人、但し南北分裂前)、アフガニスタン(2,910万人)、エチオピア(2,870万人)、ウズベキスタン(2,680万人)、サウジアラビア(2,550万人)、イエメン(2,400万人)、中国(2,330万人)、シリア(2,090万人)、マレーシア(1,710万人)


 これら上位20カ国のうち3位のインドと18位の中国を除く18カ国は国内人口の殆どがムスリムでありOIC(イスラム諸国会議)に加盟している。しかしインドではムスリムが全人口に占める比率は15%であり、中国のそれは1.7%と、いずれもムスリムは少数派である。


(続く)


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2011年07月21日

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2011年07月20日

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