2011年12月
2011年12月24日
12月19-20日の二日間にわたりサウジアラビアのリヤドでGCC(湾岸協力会議)6カ国の首脳会議(サミット)が開催された。サウジアラビアのアブダッラー国王が議長となり、オマーン、クウェイト、カタール及びバハレーンの各国元首が出席、UAEはカリーファ連邦大統領(アブ・ダビ首長)に代わりムハンマド副大統領(ドバイ首長)が出席した。
GCCサミットは毎年12月に各国持ち回りで開かれている。今年は年初のチュニジア革命に始まるいわゆる「アラブの春」と呼ばれる民主化運動が中東・北アフリカ諸国を席巻した。GCC加盟国であるバハレーンやオマーンにも波及したためサミットはGCC各国の支配者が危機感を共有する中で議論が交わされた。
会議が二日間にわたり、しかも初日の開会式に6カ国から総勢400人近くが参加する異例のものとなっており、今回のサミットが従来とは肌合いの異なるものであることを示している。開会式におけるアブダッラー・サウジ国王の演説もこれまでになく強い調子で、GCCの結束を呼び掛けたものであった。
会議終了後に発表された共同コミュニケでは、GCCの性格をこれまでの緩やかな協力関係(Cooperation)から同盟関係(Unity)に変化させようとする決意が示されている。そして関係強化を具体化するために、各国3人ずつから構成される18人委員会を設立することが合意された。委員会の委員は各国が来年2月1日まで選任することになっている。
コミュニケではその他にも同じ君主制国家のモロッコとヨルダンに対して各5億ドルの基金が設立されることになった。但し前回のサミットで議題となった両国のGCC加盟問題は、今回は言及されなかった。また対外問題についてはシリアに内戦の停止を要請するとともに、イランに対してはGCCへの内政干渉を拒否する姿勢を打ち出した。
コミュニケ全文は下記参照。
http://www.menafn.com/qn_news_story_s.asp?storyid=1093465740
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