2012年09月

2012年09月30日

(注)本レポート上、下は「マイ・ライブラリー(前田高行論稿集)」で一括ご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0240DubaiRuler2012.pdf

 ドバイ首長の関連企業に債権を保有する銀行が最近相次いで訴訟を提起した。一つは英国のRoyal Bank of Scotland(RBS)他2行によるDubai Groupに対する提訴であり 、もう一つは同じUAE連邦内のアブダビ商業銀行が不動産投資企業Zabeel Investmentsを訴えたものである 。

  ドバイは2009年にバブルがはじけ(ドバイ・ショック)て以来政府関連企業はいずれも債務処理に追われている。そのうちDubai Worldは235億ドルと言う最大の債務を抱えているが、世界の港湾管理業務を手広く手掛けている健全企業であり債務返済が比較的容易と見込まることから銀行団との間でリスケが合意された 。現在同社はムハンマド首長の手を離れ伯父のアハマド・エミレーツ航空会長の監督下で資産の売却及び業務のリストラにより再建中である。かつて「ドバイのCEO」と呼ばれDubai Worldを意のままに操っていたムハンマド首長は一切の経営権をはく奪されている。

  一方、Dubai GroupとZabeelはそれぞれムハンマド首長及び首長の息子ハムダン皇太子親子がコントロールしている。但しコントロールしていると言えば聞こえは良いが実際は多額の借入金の返済に追われ、両社とも青息吐息の状態である。Dubai Groupが銀行に負う債務は60億ドルで銀行団35行と返済の話し合いが行われてきた。しかし今年1月、ドバイ政府は返済交渉のテーブルから離脱している。政府は借金はあくまで私企業であるDubai Groupのものであると突き放したのである。これは裏を返せば借金の責任はムハンマド首長自身にあるということであり、このため同社の救済には公的資金は投入しないと言うのである。Dubai Groupの債務返済に不安を覚えたRBSなど3行が裁判所に提訴したのは、同社を清算に追い込み債権者で残余財産を分配することが目的なのである。

  ハムダン皇太子がコントロールするZabeelも似たような状況である。同社の金融機関からの借り入れは16億ドル、債権者は全てアブダビなどの地元銀行である。同社は2009年にDubai Real Estate Corp(DREC)と呼ばれる政府直轄の不動産会社からの借り入れで当座をしのいだが、今回再びDRECに借り入れを申し入れたが断られた。これを見てアブダビ商業銀行は法的手続きに踏み切ったのである。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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2012年09月29日

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2012年09月28日

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2012年09月27日

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」に一括掲載されています。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0242MenaRank15.pdf

(MENAなんでもランキング・シリーズ その15)

3-2 主要3カ国と米国・日本・中国の比較
 MENAの経済大国であるサウジアラビア、トルコ、エジプト3カ国と米国、日本、中国の過去6回の競争力順位を比べてみる。
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/15-G01.pdf 参照)
 
 米国は第7回(2007-08年)及び第8回(2008-09年)の順位は世界トップであったが、その後は2位→4位→5位→7位と毎年順位を下げている。日本は8位→9位→8位→6位→9位→10位であり第11回(2010-11年)に6位まで上昇したものの、今回は過去6回で最も低くベストテンの最後に留まっている。


 サウジアラビアと中国は第7回ランキングでは共に30位台半ば(サウジアラビア35位、中国34位)であったが、両国は2年後にはそれぞれ28位と29位にあがった。その後サウジアラビアの順位は大きく躍進し前回及び今回は20位以内に入っている。一方中国は第9回以降は29位→27位→26位→29位と20位台後半を前後している。


 トルコとエジプトの第7回ランキングはそれぞれ53位、77位であり、エジプトはMENAの平均値と比較するとかなり下回っていた。エジプトの競争力は第9回(2009-2010年)に70位まで上昇したもののその後は70位→81位→94位と急激に順位を下げ、今回はついに107位と100位以下に陥落している。同国はムバラク政権末期から国際競争力が落ちていたが、昨年同政権が崩壊しイスラム穏健派が国政を握った後も経済の立て直しに成功しておらず競争力は回復するどころかむしろ落ち込んでいる。


 一方トルコは第8回(2008-2009年)から第10回(2010-2011年)まで60位台に低迷した後、前回(59位)及び今回(43位)と急激に競争力をつけている。特に今回はMENAの世界平均順位が前回の58位から62位に落ちているにもかかわらず同国が世界順位を上げていることは特筆に値する。


(続く)


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