2014年07月
2014年07月16日
(サウジ)教育省、留学生に警告:イスラム過激派に同調したものは即刻帰国。在レバノン大使館も留学生を監視。
(サウジ)マッカ神殿大規模改修のため来年も巡礼者の割当削減。
(サウジ)リヤドに商事仲裁センター設立。全国各地にも支部。
(サウジ)働く女性10人中6人が勤務時間に不満:労働環境調査。
(カタール)カタール航空、エアバスA380 3機の受け取りを拒否。
(カタール)組織委員長:2022年ワールドカップ開催は既定路線。Hamam贈賄問題は無関係。 *
*2011.5月レポート「カタールにレッド・カード」参照。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0181QatarFifa.pdf
2014年07月15日
(注)本シリーズ1~13は「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0320MenaRank4.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その4)
3.2013年のFDI outflows(対外直接投資額) (続き)
(自国からの投資が海外からの投資を圧倒するカタールとクウェイト!)
(2)主要国のFDI Inflows(直接投資流入額)とFDI Outflows(対外直接投資)の差
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/4-G02.pdf参照)
トルコ、サウジアラビア、イスラエル、UAE、エジプト、カタール及びクウェイトのMENA主要7か国の直接投資流入額(FDI Inflows、第1章参照)と対外直接投資額(FDI Outflows、第2章参照)を比べると顕著な違いが見られる。
トルコ、サウジアラビア、イスラエル及びUAEの4カ国は流入投資額が対外投資額を大幅に上回っており外国からの投資が盛んであることを示している。例えばトルコの場合、同国への投資流入額(FDI Inflows)が129億ドルであるのに対して、同国から海外への投資額(FDI Outflows)は31億ドルであり、差し引き98億ドルの流入超過である。またUAEは流入額105億ドル、海外投資額29億ドルであり差し引き76億ドルの流入超過で、イスラエルは69億ドル、サウジアラビアも44億ドルの流入超過となっている。エジプトも53億ドルの流入超過であるが、同国の場合は流入額56億ドルに対して海外投資額がトルコ、サウジアラビア等に比べ極めて低い3億ドルにとどまっている。
これに対してカタール及びクウェイトは外国から自国への投資額(Inflows)が自国から外国への投資額(Outflows)を下回り資本の流出超過となっている。カタールは対外投資額80億ドルに対して流入額は-8億ドル(純減)になっており差し引き89億ドルの大幅な出超である。クウェイトの場合は対外投資額84億ドルに対し流入額は23億ドルにとどまっており、60億ドルの資本流出超過となっている。
同じ湾岸産油国でありながらサウジアラビア・UAEとクウェイト・カタールが対照的な様相を示している最大の理由は国内における投資機会の大きさによるものと考えられる。サウジアラビアは湾岸産油国の中では人口も経済規模も大きく、また政府が雇用機会創出のため積極的に国内産業を育成し外国との合弁事業を奨励している。またUAEはドバイが中東・アフリカ・中央アジア経済圏の中継ハブ基地として発展を遂げており外国資本がUAEへの進出を加速させている。
一方、同じ湾岸産油国でもクウェイト及びカタールは石油・天然ガスの価格高騰により国内に資金が溢れているにも関わらず自国の経済規模が小さい。このため国内での投資機会が乏しく、外国資本にとっても投資の魅力が乏しい。このため外国からの資本流入が少ない一方、国内資本は海外に投資している。カタールは2022年のサッカー・ワールドカップを目指し巨大なインフラ投資が行われているが、同国は国内に蓄積された資本が多く外国からの資金導入の必要性が少ないと考えられる。クウェイトの場合は政府と議会の対立により国内経済が停滞し、長期間にわたり資本出超の傾向が続いている。同国は外国資本から相手にされず、自国の投資家からも見放されているのが実情である。
(続く)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
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2014年07月14日
2014年07月13日
(注)本シリーズ1~13は「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
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(MENAなんでもランキング・シリーズ その4)
3.2013年のFDI outflows(対外直接投資額)
(対外投資が最も多い国はクウェイト!)
(1)MENA各国の対外直接投資
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/4-T03.pdf参照)
2013年のMENA各国の対外投資額(FDI outflows)の総額は370億ドルであり、同年の全世界の合計額1兆4千億ドルに占める割合は2.6%であった。これは直接投資流入額(FDI Inflows、第1項参照)の世界全体に占める割合4.9%を大きく下回っており、MENA地域は資本の出資者であるよりも、むしろ資本の導入国という色合いが強いことを示している。因みに日本、米国、中国の投資額はそれぞれ1,357億ドル、3,383億ドル及び1,010億ドルであり、米国一国でMENA投資額の9倍、日本は3.7倍、中国は2.7倍である。
国別では、クウェイトが84億ドルと最も多くMENA全体の23%を占め、これに次いで多いのがカタールの80億ドルである。3位サウジアラビアと4位イスラエルはそれぞれ49億ドル強でありクウェイト、カタールよりもかなり少ない。これら4カ国だけでMENA全体の7割強を占めている。これに続くのがトルコ31億ドル、UAE29億ドルで、オマーン(14億ドル)及びバハレーン(11億ドル)までの上位8カ国が対外投資額10億ドル以上の国々である。
第9位以下の各国は10億ドル未満であるが、各国の投資額は以下の通り。
レバノン(6.9億ドル)、イラク(5.4億ドル)、イラン(3.8億ドル)、モロッコ(3.3億ドル)、エジプト(3憶ドル)、リビア(1.8億ドル)。イエメン、チュニジア、ヨルダン各国はいずれも1億ドル未満。
2012年と比較すると、総額では121億ドル、49%の増加である。これは世界全体の増加率5%に比べて非常に大きく、その結果MENAの占める比率は2012年の1.9%から2.6%に拡大している。国別で最も大きく増加したのがカタール(18億ドル→80億ドル)であり、クウェイトも32億ドルから84億ドルに増加、イスラエルは24億ドルから49億ドルに倍増している。一方、2012年よりも大幅に減少したのはリビア(25億ドル→1.8億ドル)、トルコ(41億ドル→31億ドル)である。
(続く)
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