2015年06月

2015年06月24日

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0347MenaRank6.pdf

(MENAなんでもランキング・シリーズ その6)
 
4.2010年から2015年までの順位の推移
(2011年以降報道の自由度が大幅に下がった「アラブの春」の国々!)
(1)2010年と2015年の比較
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/6-T02.pdf参照)
 2010年と2015年のMENA19か国一機関の世界順位を比較すると順位がアップした国が8か国であったのに対して下落した国は12か国もある。全世界の調査対象国数が2010年の178から2015年には2カ国増えて180か国であるため、総じて世界順位が低いMENAの場合、2~3位程度の下落はほぼ横ばいとみなすこともできるが、問題は順位を10位以上悪化させた国が8か国もあることである。


 最も順位を下げた国はUAEで2010年の87位に対して2015年は120位に大幅に下落している。その他エジプト(127位→158位)、イラク(130位→156位)、ヨルダン(120位→143位)、レバノン(78位→98位)、バハレーン(144位→163位)など多くの国で報道の自由度が大きく下落している。


 これらの国は2011年の「アラブの春」で体制が揺らぎ、中にはエジプトのように軍事独裁政権からイスラム政権、そして再び軍事政権に戻るなど大きな政治的変動に見舞われ、いまだ政情が不安定な国が多い。2010年以前のMENAの報道の自由度は独裁政権のため自由度が低いとされていたが、2011年以降はむしろ政情不安・治安の悪化によりジャーナリストの自由な取材が制限され、あるいは身体的な危険が大きな問題となっている。そしてその懸念は緩和するどころかむしろ悪化しているのが現状なのである。


(2)主要国の2010~2015年の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/6-G01.pdf参照)
 MENAの主要国であるトルコ、エジプト、サウジアラビ、UAE4か国に日本と中国の過去5年間の推移を比べると、MENAの平均順位は130位台にとどまりしかも低落傾向にある。その傾向を最も端的に示しているのがUAEとエジプトである。UAEは2010年には世界87位であったが2012年には100位以下の112位に転落、その後も年々ランクを下げ2015年には120位にとどまっている。エジプトは2010年段階ですでに世界178か国中の127位であったが、「アラブの春」の翌2012年には世界179か国中の166位と最低レベルに落ち込んでおり、その後も150位台後半にとどまっている。


 トルコも2010年の138位から2013,14年には154位まで落ち込んだが、今回は149位と改善の兆しが見られる。サウジアラビアは5年間を通じて160位前後を上下している。同国は「アラブの春」およびその後のイラク、イエメンなど周辺国の政情不安による影響は抑え込んだものの、絶対君主制の独裁体制は変わらず、報道の自由度が改善する兆候は見えない。


 なお日本は2010年には世界11位であったが、2012年には22位、さらに2013年は53位と大きく順位を下げており、その後も低落傾向が止まらない状況である。また中国は5年間を通じて世界170位台にとどまったままである。


以上


本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
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2015年06月23日

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
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(MENAなんでもランキング・シリーズ その6)
 
(MENAの平均順位は2年間変わらず139位!)
3.2014年と2015年の自由度の比較
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/6-T01.pdf参照)
 報道の自由度のMENAの世界平均順位は前回も今回も139位であり変化は見られない。またMENAの中でもクウェイト、カタール、UAEなど上位グループとサウジアラビア、イランなど下位グループの間に大きな順位の変動は無い。上位グループではクウェイトが2年連続でMENAトップである。イスラエルは昨年世界96位であったが今回は再び100位以下に下がっている。目立って順位の下がった国はリビアで、同国は昨年の世界137位から今年は154位の世界最低クラスまで落ちている。MENA19か国一機関の中で昨年より順位を落とした国は8か国である。


 逆に昨年よりも世界順位を上げたMENAの国は8か国ある。最も順位をアップさせたのはレバノンで昨年の106位から98位に上がっている。またチュニジア、オマーンも順位を7つ上げており、モロッコは6つ上げている。MENAで順位を上げた国と下げた国は同数であり、MENAの平均順位も昨年と変わりは無いが、平均ポイントは昨年の45.72に比べ今年は46.27である。MENAの報道の自由度は昨年より悪化していると言える。


 因みに日本は2014年のポイント26.02から2015年には26.95に悪化しており、世界順位も59位から61位に下がっている。米国および中国も同様に世界順位はそれぞれ46位→49位、175位→176位へとわずかではあるが下がっている。


(続く)


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2015年06月22日

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2015年06月21日

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(MENAなんでもランキング・シリーズ その6)
 
(MENAの世界平均順位は180カ国中139位!)
2.2015年版のMENA各国の「報道の自由度」ランク
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/6-T01.pdf参照)
 MENA19カ国1機関(上記参照)の中で最もランクが高かったのはクウェイトの世界90位である。これに次ぐのがレバノンの98位であるが、世界の調査対象国全180か国の中ではいずれも下位グループに入る。また両国以外のMENA諸国はすべて100位以下で、MENAの世界平均順位は139位と言う極めて低いものである。


 MENA3位はイスラエルの世界101位であり、カタールとアルジェリアが世界110位台、UAE、チュニジア、及びオマーン3か国が120位台、MENA9位のモロッコは世界130位である。MENA10位のパレスチナ自治政府は世界140位であり、ヨルダン(143位)、トルコ(149位)と続き、リビア以下8カ国は世界順位150位以下である。


 中東の大国とされているエジプト、サウジアラビアおよびイランはそれぞれ158位、164位、173位でイランは報道の自由度で世界180カ国中の最低レベルである。MENAで最も自由度が低いシリアは177位である。


 ちなみに世界で報道の自由度が最も高い国はフィンランドで上位の多くは北欧の国々である。日本は世界61位であり米国(49位)より低く先進国の中ではかなり評価が厳しい。なお中国は世界176位であり、イラン、シリアと同程度の最下位グループに評価されている。世界1位のフィンランドのポイントは一桁の7.52であるのに対して(ポイントが低いほど自由度が高い)、MENAトップのクウェイトが30.84、最も低いシリアは77.29、MENAの平均は46.27である。フィンランドとMENA各国の格差は非常に大きいと言える。(参考:米国24.41、日本26.95、中国73.55)


 RSFのレポートではポイントに応じて各国の自由度を下記の5つに分類し色分けをした世界地図を掲載している。

(1)白色:0~14ポイント(Good situation)
(2)黄色:15~24ポイント(Satisfactory situation)
(3)橙色:25~34ポイント(Noticeable problems)
(4)赤色:35~54ポイント(Difficult situation)
(5)黒色:55~100ポイント(Very serious situation)

 
n-WORLD-PRESS-FREEDOM-INDEX-2014-large570

 この色分け地図では白色が最も自由度の高い国家群とされ、続いて黄色、橙色、赤色と移り、最後の黒色は報道の自由度が非常に深刻な状況にある国々とされている。これを見るとMENAの国々の多くは赤色であり、最低レベルの黒色もサウジアラビア、イラン、イエメン、シリアなど5か国に達している。


(続く)


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2015年06月19日

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