2018年07月
2018年07月25日
(カタール)タミム首長、メイ英首相と会談。
(UAE)ADNOCのSuwaidi前CEOに旭日中授章。

(ドバイ)ドバイ・モールを上回るドバイ・スクエアを100億Dhで建設。
(サウジ)国連e-Government世界ランクで世界30位に。 *
(サウジ)ハラール食品の世界センター設立を計画。
(クウェイト)国富ファンドKIA、北海パイプラインNSMPを17億ドルで買収。
(クウェイト)インスタグラムの記事巡り資生堂など世界の化粧品メーカーがインフルエンサーと関係絶つ。
*近日中に本ブログでレポートの予定。前回(2016年)については下記参照。
http://mylibrary.maeda1.jp/0386MenaRank3.pdf
(注)本レポートは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0447MenaRank4.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その4)
2018.7.25
前田 高行
4.FDI Outward Stock(FDIアウトバウンド残高)
(UAE・イスラエルの2強とそれに続くサウジアラビア!)
(1) 2017年のFDI Outward Stock(FDIアウトバウンド残高)
(表http://menarank.maeda1.jp/4-T07.pdf 参照)
2017年末のMENA19カ国及び1機関(パレスチナ自治区)のFDI Outward Stock(FDIアウトバウンド残高)は5,181億ドルである。全世界の対外投資残高31兆ドルに占める比率は1.7%でMENA各国の対外投資は他の地域に比べて低い水準にとどまっている。
FDIアウトバウンド残高が最も多い国はUAEの1,244億ドルであり、これに次ぐのがイスラエルの1,038億ドルで投資残高が1千億ドルを超えるのはこの2か国だけである。第3位はサウジアラビアの796億ドル、第4位はカタールで同国のアウトバウンド残高は529億ドルである。残高が500億ドルを超えるこの4カ国でMENA諸国全体の残高の7割を占めている。これら4か国の残高はいずれも前年末を上回っており対外投資が引き続き活発であることを示している。
これら4か国に次ぐのがトルコ(414億ドル)、クウェイト(306億ドル)である。7位以下はリビア(203億ドル)、バハレーン(192億ドル)、レバノン(139億ドル)と続き10位のオマーン以下は100億ドル未満である。
上位10か国のうち6カ国(UAE、サウジアラビア、クウェイト、カタール、バハレーン、オマーン)はGCC加盟国であり、2000年以降の原油価格高騰により生まれた豊富なオイルマネーが外国投資に振り向けられた結果と言えよう。なおクウェイトの場合、FDIインバウンドは単年度及び累積残高ともMENA諸国の中でも低いレベルにとどまっているのに対し(1、3章参照)、FDIアウトバウンドは単年度ではMENA2位(その2参照)、残高では6位であり、オイルマネーが継続的に国外に向かっていることを示している。
残高が100億ドル未満の国は、オマーン(83億ドル)、エジプト(74億ドル)、モロッコ(59億ドル)、イラン(37億ドル)、イラク(25億ドル)、アルジェリア(19億ドル)等があり、イエメン、ヨルダン、チュニジア、パレスチナ自治政府、チュニジア及びシリアは投資残高が10億ドル未満である。
なお日本、米国、中国のアウトバウンド残高は各々1.5兆ドル、7.8兆ドルおよび1.5兆ドルであり、日本、中国はMENA1位のUAEの12倍、米国は60倍である。
(続く)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp
2018年07月24日
(注)本レポートは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0447MenaRank4.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その4)
2018.7.24
前田 高行
(2) 2000-2017年末のFDI Inward Stock(FDIインバウンド残高)の推移(続き)
(MENAで唯一残高2千億ドル以上を続けるサウジ!)
(b)主要4カ国のFDIインバウンド残高推移
(図http://menarank.maeda1.jp/4-G04.pdf 参照)
2000年以降のFDIインバウンド残高の推移はMENA各国で大きく異なるが、ここでは地域における主要な投資受入国4カ国(サウジアラビア、トルコ、UAE及びエジプト)について、2000年、2010年及び2013-17年の各年末の残高の推移を概観してみる。
2000年末の4か国の残高は、エジプト200億ドル、トルコ188億ドル、サウジアラビア176億ドル、UAE11億ドルであり、UAE以外の3か国はほぼ同じ水準であった。大きく動き出したのは2000年台に入ってからであり、2010年末になるとサウジアラビアの残高は2000年の10倍1,764億ドルに増加、またトルコはサウジアラビアをしのぐ1,880億ドルに達している。2000年末に11億ドルにすぎなかったUAEは60倍の639億ドルとなっている。
トルコは2010年以降増減を繰り返し1,400~1,800億ドルを上下しており、2017年の残高は1,807億ドルである。これに対してサウジアラビアは2010年以降一貫して残高を増やしており、2013年以降は残高2千億ドル以上を続け、MENA諸国の中で飛び抜けた水準を維持している。
2010年末に639億ドルであったUAEの残高はその後も漸増し、2017年末は1,299億ドルを記録している。UAEでは2008年のリーマン・ショック後、ドバイへの投資が低迷したが、UAE全体としての投資残高が減ることはなかった。
エジプトの2000年末残高は200億ドルでトルコ、サウジアラビアをしのぎMENAではイスラエルに次ぐ大きさであった。2000年以降の同国の残高は2010年まではUAEと肩を並べるペースで成長してきたが、それ以降は増加が鈍っており、2013年にはUAEに追い抜かれている。但しわずかずつではあるが投資残高は着実に増加しており、2016年は1,023億ドルと残高が初めて1千億ドルを超え、2017年末の残高は1,097億ドルに達している。同国の政治はムバラク政権崩壊からムスリム同胞団によるムルシ政権、さらにはシーシ軍事独裁政権の復活とめまぐるしく変動して経済も大きく悪化したため外国からの投資が停滞した。しかし2014年後半は政情が安定、それに伴って外国(特に湾岸諸国)からの投資は活発であり残高が上向く兆候が見られる。
(続く)
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(MENAなんでもランキング・シリーズ その4)
2018.7.23
前田 高行
(2)2000-2017年末のFDI Inward Stock (FDIインバウンド残高)の推移
(ここ数年1兆ドル強で推移しているMENAのFDIインバウンド残高!)
(a)MENAのFDIインバウンド残高
(表http://menarank.maeda1.jp/4-T06.pdf 参照)
2000年末のMENAのFDIインバウンド残高の合計は1,365億ドルであり全世界の投資残高7.4兆ドルの1.9%を占めていた。その後FDIインバウンドの残高は急激に膨らみ、2010年末は8,664億ドルと10年間で6倍に増加し世界全体に占める割合も4%強に達した。2014年には1兆ドルを超え、2017年末の残高は1兆2千億ドルとここ数年は残高が1兆ドルを超えている。そして2010年以降、世界全体のFDIインバウンド残高に占めるMENAの割合は4%前後である。
MENAのインバウンド残高を日本、米国及び中国と比較すると、2000年末ではMENAの残高は日本(503億ドル)の3倍である。中国の残高は1,933億ドルとMENAを上回っており、米国の残高は2.8兆ドルでMENA全体の総額の20倍を超えている。
2017年末のFDIインバウンド残高はMENA1兆2千億ドル、日本2千億ドル、米国7.8兆ドル、中国1.5兆億ドルであり、MENAは日本の5.8倍、中国の8割であるが、米国の7分の1にとどまっている。
(続く)
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