2005年02月09日

OPEC脱退をうかがうインドネシア

2/9 Arab News (Saudi Arabia)
 アジア唯一のOPEC加盟国であるインドネシアのプルノモ石油相は、同国の石油生産が低下し近く純輸入国になる見通しのため、OPECを脱退する可能性を示唆した。
 同国の石油輸出は2003年の10万B/Dから2004年は既に3万B/Dに落ち込んでいる。石油生産低下の主な原因は油田の老朽化、深海部での開発投資が冷え込んでいるためとされる。
 但し石油相はOPEC脱退で外国勢が投資を更に手控える恐れを指摘しOPEC脱退は外交的問題でもあると付言した。

コメント:
インドネシアのOPEC生産割当量は1,399千B/Dであり、加盟国の中では下から3番目である。また人口が多くガソリン価格が政策的に低く抑えられているため、国内経済は石油多消費型である。さらに油田老朽化のため石油生産量が低下しており近年輸出が減少し、石油価格高騰の恩恵を受けていない。一方、石油に代わり最近では天然ガス輸出が外貨獲得の柱となっている。天然ガスはOPEC生産割当外である一方、原油国際価格に連動しているためインドネシアはOPECに加盟し続ける意義が薄れており脱退の機会をうかがっている。但しOPECは欧米先進工業国に対する数少ない経済対抗手段でもあるため開発途上国のインドネシアとしてOPEC脱退は高度な政治的判断を要する問題でもあると言えよう。


at 21:55 
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