2005年02月12日

サウジ初の地方議会選挙行われる

2/10, 2/11,2/12 Arab Times
 サウジアラビア初の地方議会選挙が先ず首都圏で実施され、リヤド市議会に6名の公選議員が生まれた。公選議員は議会定数の半分、残り半分は従来通りの政府指名であり、また女性には選挙権及び被選挙権が与えられないなど不十分なものではあったが、同国の民主化に向けてともかくも新たな一歩が踏み出された。
 事前の有権者登録は低調で選挙資格者(成人男子)の30%、14万人に過ぎなかったが、一方で候補者は38選挙区で1,818人が立候補し、特にリヤド市ではわずか7議席に646人という超乱立状態となった。
 選挙は混乱も無く終了、リヤド市は即日開票され当選者が発表された。しかし落選者の中には、投票開始直前にインターネットで一部候補者がイスラム教職者のお墨付きを得たかの如き情報が流されたことを取り上げ、選挙の公正が失われた、と訴えた。これに対し選挙管理委員長のミッテーブ殿下は、選挙規程により5日以内なら異議申し立てを受理する、と説明した。
 地方選挙は引き続き3月3日に東部地区で、また4月21日にジェッダ、マッカを含む西部地区で行われる。

コメント:
 今回の選挙は日本のマスコミでも大きく取り上げられ、サウジアラビアの今後の民主化の成り行きが注目される。米国は、サウジの民主化の遅れが9.11事件やその後のイスラム・テロの元凶であると批判しているが、その改善策としての今回の選挙はそれなりの評価をしている。但し、選挙が地方議会レベルにとどまり、女性に選挙権が与えられていないことなど民主化のステップとして不十分な点が多い。
 評論家の中には、今回の選挙は皇太子をはじめとするサウド王家支配者が欧米向けの対外的なアピールを狙ったものであり、国内的には一般国民(成人男子)に地方レベルでの政治発言の機会を与えるガス抜き効果を果たしているだけである、と辛口の論評をする者もある。


at 15:41Saudi Arabia  

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