2005年02月23日

ジェッダ経済フォーラムの反響

2/23 Arab News (Saudi Arabia)
 21日に閉会した第6回Jeddah Economic Forum(JEF)は、昨年の会議でオラヤン財閥CEOルブナ女史、ラニア・ヨルダン王妃、ムバラク・エジプト大統領夫人を含め多数の女性が参加したのに比べて、今回は高名なアラブ女性の参加も無く、対照的なギャップを示した。
 会議に参加した外国人女性ジャーナリストからも、男性参加者に対する取材を制限された、との不満があった。昨年の会議で女性講演者の素顔の写真が紙面に出たことがその後国内で物議を醸した経緯がある。主催者は、自身ではコントロールできない状況であった、と釈明している。

コメント:
 第6回目を迎えたJeddah Economic Forum(JEF)は曲がり角に差し掛かったようである。今回の会議は二つの点で失敗ではなかったかと考える。一つは女性が参加に消極的であったことであり、もう一つは政府のプロパガンダに利用された節が見られることである。
 昨年の会議で女性の素顔の写真が報道され、その後保守層からバッシングがあった模様である。このため今回は国内の女性経営者をはじめ他国の有力なアラブ人女性からボイコットされた。またArab Newsを読む限りでは地元ジェッダの有力経済人の発言も殆ど報道されなかった(これは同紙のスポンサーがサウド家のサルマン一族であることも理由であろうが)。会議のテーマの一つがサウジ人化(Saudization)問題であったように内向きの姿勢が強く、WTO加盟、経済の透明性確保、女性の社会参加を含む民主化努力など対外的に重要な時期でありながら、理念と現実のギャップを埋める具体的な議論や提案は余り無かったようである。
 リヤドでもかつてジェッダに対抗してForumを開催したが、世界に目を向けた会議として一定の評価を得たJEFには遠く及ばなかった。それはジェッダの経済人の誇りでもあったと思われる。しかし今回ジェッダの経済人はJEFに一歩距離をおいているように感じられる。ジェッダ経済界の重鎮であり、良い意味でリヤド政府と対抗して来たダッバーグ氏が数日前に死去した。このあたりも今回のJEFに影を落としているのかもしれない。


at 13:32Saudi Arabia  
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