2005年02月28日

バハレーン・カタル、海上橋建設の覚書締結

2/28 Gulf Daily News (Bahrain)
 バハレーンのサルマン皇太子がカタルを公式訪問し、ハマド首長、タミム皇太子等と会談の後、バハレーンとカタルを結ぶ海上橋(causeway)建設の覚書を調印した。海上橋は全長40KMの2車線道路で工期4年9ヶ月と見込まれている。

コメント:
 アラビア湾の島国であるバハレーンはサウジアラビアとの間にKing Fahd Causewayと呼ばれる海上高速道路があり、サウジアラビアとは車で直結している。この道路は建設費の殆どをサウジアラビアが負担して建設されたものであり、重要な経済ルートであると同時に、週末には両国市民が頻繁に往来している。禁酒国のサウジ市民にとってホテルでの飲酒やショーが許されているバハレーンは息抜きの場であり、一方バハレーン市民にとってはガソリンや日常消費財が豊富で廉価なサウジアラビアは週末ショッピングの場として利用されている。
 しかしバハレーン市内でのサウジの若者の行状は市民の顰蹙を買うことも少なくない。また有力な収入源を持たないバハレーンは、橋の建設以外にも両国国境にまたがるアブ・サーファ油田の石油収入問題などサウジに経済的に依存し、客観的に見れば従属的関係にあるとすら言える。
 バハレーン政府はこのようなサウジアラビア依存からの脱却の機会をうかがっており、米国と自由貿易(FTA)協定を締結したが、これはGCCの盟主を自認するサウジアラビアの不興を買い、昨年12月のGCCサミットで両国は激論を交わした、と伝えられている。
 今回のバハレーン、カタル両国を直結する海上橋の建設合意は、サウジアラビア政府にとって心穏やかではないと思われる。サウジアラビアとカタルの関係も国境問題およびアル・ジャジーラTVによるサウド王家に対する間接的な批判報道などでギクシャクしており、今後の3カ国の関係が注目される。


at 09:15Bahrain  
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