2005年03月18日

在UAE英国大使館、UAE人家族に同行するメイドのビザを発給制限

3/18 Khaleej Times (UAE)
 在UAE英国大使館は、英国に旅行するUAE人家族に同行するメイドのビザ発給条件を厳格にすると発表した。これは滞英中に逃亡するメイドが後を絶たないためである。今後は雇い主との雇用が1年以上で、メイド自身の労働ビザ有効期限が6ヶ月以上あること等が条件となる。大使館当局によると昨年メイド用ビザが2,155件発行されている。

コメント:
 豊かな湾岸産油国ではごく普通の家庭でもインドネシアなど東南アジア女性をメイドに雇い、また休暇で英国などに家族で出かけるときも(これもごく普通のバカンスの形態である)、子供の世話のためにメイドを連れて行く。このようなケースでメイドが旅先のロンドンなどで逃げ出す例が多いようである。Khaleej Timesは3/15付でも同様の記事を掲載している。また12/2付のKuwait Timesもフィリピン人のメイドが雇い主から逃亡し、フィリピン大使館に逃げ込む例が多発していると報じている。
 彼女達メイドが低賃金で酷使されていることはかねがね指摘されており、また雇い主のDomestic Violence(DV, 家庭内暴力)に晒されているメイドも多いと言われる。DVには雇い主の主婦による非人道的な扱いや、時としては男性によるレイプなども含まれる。このため思い余って逃亡するケースが最近目立っている。アムネスティの報告書でも湾岸産油国における人権問題のひとつとしてこの問題を指摘している。
 しかし本国で仕事の無い東南アジアの女性にとって、家族を養うために湾岸諸国で働くことは選択の余地の無いことであり、大半が雇い主の扱いに泣き寝入りしているものと思われる。彼女達を保護すべき大使館も失業対策のための出稼ぎを認めざるをえないため、相手国政府に余り強い態度に出られず、目に余るケースについてだけ彼女達を本国送還しているようである。

注、3/14付けKuwait Times「フィリピン人のイラク不法入国記事」参照。


at 21:27UAE(Abu Dhabi, Dubai)  
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