2005年05月09日

GCCとMercosurの自由貿易協定目指す

5/9 Gulf Times (Qatar) - Reuter電
 ブラジル政府首脳は、近く同国で開催される初のアラブ・南米サミットで、GCCーMercosur(南米南部共同市場)が自由貿易協定締結の話し合いに入る、との見通しを示した。
 アラブ22カ国と南米12カ国が参加するサミットには、アラブ側からイラクTalabani大統領、パレスチナAbbas大統領、レバノンMikati新首相を含む9カ国の首脳が出席する他、200名近いビジネスマンの参加が見込まれている。

コメント:
 初のアラブ・南米サミットを主催するブラジルの意図が何であるか興味深い。ブラジルを含む南米諸国は米国との関係が強く、一方アラブ諸国は西欧との関係が強いことは誰の目にも明らかである。南米とアラブとはこれまで政治・経済とも関係は希薄であった。例えば貿易関係についてサウジアラビアを例に取れば、ブラジルとの輸出入額は年間48億ドル(2001年)であり、サウジアラビアの貿易相手国としては21番目でしかない(因みに1位米国、2位日本)。
 上記ブラジル政府首脳はGCCと Mercosur(ブラジル、アルゼンチン等の4カ国の経済共同体)の提携により米国、EUへの依存体質から脱却する狙いを表明しているが、Mercosur, GCCとも内部の不協和音が増しており提携の実効性が疑われる。
 ブラジルは国連常任理事国に名乗りを上げており、また米国・EUに対抗する第三世界のリーダーを目指している。今回のサミットはブラジルの政治的野心のための舞台装置と考えるのが妥当かもしれない。


at 18:10 
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