2005年05月28日

ファハドサウジ国王入院、重態説流れる

5/28 , Arab Times (Saudi Arabia), Khaleej Times(UAE) AP電
 サウジアラビアのRoyal Courtはファハド国王が昨日入院したと発表した。詳細な病状は公表されていない。Arab Timesは政府情報筋の話として国王は通常の医療検査を受けており健康状態は問題ないと報じている。
 しかし情報が錯綜しており、リヤド発のAP電は匿名筋の情報として、国王は危険な状態にあり国家緊急令がひかれ、治安関係者の海外休暇出国はキャンセルされたと報じた。
 国務相はAPの報道を否定し、また地元TVはアブダッラー皇太子がムバラク・エジプト大統領の問合せに対し同様の回答をしたと報じた。
 市民はTVのニュースを注視しているが、市中の治安が強化された様子は見られない。

コメント:
 ファハド国王は今年82歳。国王重態説はこれまでも度々報じられ、健康状態が年々悪化していることは間違いない。但し1995年に重い心臓病にかかって以来国政の実権は異母弟のアブダッラー皇太子が掌握しており、従ってファハド国王が死去しアブダッラー皇太子が国王に即位しても当面のサウジの内政・外交に大きな変動は無いと見られている。
しかしながらアブダッラーの後の次期皇太子としてファハド国王の実弟スルタン国防相、サルマンリヤド州知事などの名前が取りざたされているが、いずれも高齢であり次世代へのバトンタッチは時間の問題である。世界最大の石油埋蔵量を有し、またイスラム聖地マッカがあるサウジアラビアはイスラム教徒の精神的なシンボルでもあるだけに同国の後継者問題は世界的な注目を浴びている。

サウジアラビア王家及び継承問題についてはMENA Informantの下記レポート参照。
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サウド家の妃達―スデイリ・セブンとファイサル家の姻戚関係
落日のサルマン家?
華麗なる一族―ファイサル家


at 16:30Saudi Arabia  
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