2005年09月24日

バーレーンがイスラエル・ボイコットを停止

9/24 Arab News (Saudi Arabia)
 バーレーンの外交官は、同国が昨年9月に米国とFTA(自由貿易協定)を締結したことに伴い、イスラエル製品ボイコットを停止することになったと語った。また同国外相も国内にあるイスラエル・ボイコット事務所を閉鎖すると言明している。
 バーレーン駐在の西側外交官は、米国がFTA交渉に際しイスラエル製品の輸入禁止及び同国との外交関係正常化を強く要求した、と明かしている。

コメント:
 米国とバーレーンのFTA二国間交渉には、バーレーンに対してイスラエルとの政治・経済関係の正常化を迫る、と言う意図があることが明確となった。バーレーンは自国及びカリーファ王制の安全保障のため米国の軍事・外交支援を何としても必要としている。米国は彼我の圧倒的な力の差を利用して弱小国であるバーレーンをイスラエル承認の一番手に仕立て上げることに成功した。米国は引き続きUAE, カタール、クウェートに対してFTA交渉中である。いずれもバーレーンと同じように米国の保護を必要としている国々であり、協定締結の目的はバーレーンと同じである。
 経済規模が小さく輸出商品が石油に限られるこれらGCC4カ国にとっては、FTAのような純経済的な協定は余り意味をなさないはずである。米国は安全保障をちらつかせてそのような国々を自国の傘の下に入れ、さらにはサウジアラビア、エジプトなどの地域大国に対しても同様の状況を作り上げようとしている。米国のFTA政策はこのように中東和平を確かなものにする道具として使われている。そこにはイスラエル国家の安泰を目的とした米国内のイスラエル・ロビーの力が作用していることは論を待たない。


at 14:20Bahrain  
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