2005年10月08日

サウジーEUがガス価格合意、WTO加盟へ

10/8 Arab News (Saudi Arabia)
 サウジアラビアとEUは石油化学原料となるガスの価格について合意に達した。これによりサウジアラビアのWTO加盟の障害が除去され、10/19-20のジュネーブでのWTO理事会に報告書が提出された後、12/13-18に香港で開催されるWTO閣僚会議で、サウジアラビアは149番目の正式加盟国となる。

コメント:
 サウジアラビアは4月のアブダッラー皇太子(現国王)の米国訪問時、ブッシュ大統領との会談でWTO加盟承認を取り付けており、今回のEUとの合意で悲願のWTO加盟が実現する。EUはサウジアラビアの石油化学製品は原料ガスが低価格(現行75セント/立法フィート)であり不公正競争に当たるとして同国石化製品のEUへの市場参入を拒否してきた。一方のサウジアラビアにとって石油化学製品は原油に次ぐ有力輸出商品であり、EUへの輸出はWTO加盟の最大の眼目であった。但し具体的なガス価格については報道されていない。
 なおサウジアラビアのWTO加盟は同国民間企業に深刻な影響を与えるものと見られている。またGCCでは同国を除く5カ国は既にWTO加盟を終え、今や米国とのFTAなど二国間協定の段階に進んでおりWTO加盟が同国にどのような利益をもたらすか甚だ疑問である。
MENA Informant Report「遅きに失したサウジのWTO加盟」参照。


at 13:42Saudi Arabia  
記事検索
月別アーカイブ
タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ