2005年10月30日

WTO加盟決定で株価高値更新

10/30 Arab News (Saudi Arabia)
 11/11のWTO委員会でサウジアラビアのWTO加盟が正式承認されることを受けて、週明け土曜日の株式市場で総合株価指数(TASI)は15,305.59の史上最高値を記録した。株価は年初に比べ1.86倍に達している。
 Sambaのチーフ・エコノミストBrad Bourlandは、WTO加盟はサウジ経済及び企業にとって良いことである、と語っている。またRiyad銀行のエコノミストは、ここ2-3週間は利食い売りで不安定な相場であったが、市場は新しい段階に入り値上がりが続くであろう、と述べた。

コメント:
 株価の上昇が止まらない。過剰な流動マネーが株式市場になだれ込んでいるためであり、WTO加盟も買い材料とはやし立てられているようである。
 しかしながらWTO加盟がサウジアラビア経済にとってプラス材料となるかどうか、はなはだ疑問であると筆者は考える。サウジアラビアはGCCの中でWTO加盟は最後である。今や世界的にもWTO加盟は当たり前のことであり、むしろFTA(自由貿易協定)が時代の流れである。さらに石油以外の輸出商品を持たないサウジアラビアにとってWTO加盟による貿易拡大は考えられず、むしろ国内になだれ込む外資により地場企業が窮地に立たされるマイナス面の方が大きいであろう。恩恵をこうむるのは安価で良質な輸入品を享受できる一般国民であり、また国際的なステータスをを獲得できるサウジ政府自身であろう。
 詳しくはMENA Informantの筆者レポート「遅きに失したサウジアラビアのWTO加盟」を参照願う。


at 13:24Saudi Arabia  
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