2005年10月31日

WTO加盟でもガス価格は不変ー石油相次官談

10/31 Arab News (Saudi Arabia)
 サウジ石油省次官のAbdulaziz bin Salman王子は、WTO加盟後も国内のガス価格は変わらない、と述べた。また、EUとのWTO加盟交渉ではガス価格問題に多くの時間が費やされ、アブダッラー国王とEU議長のブレア英首相との直接対話で決着していると説明し、サウジでの外国投資に影響は無いと強調した。

コメント:
 サウジ国内の石油化学合弁事業に対する原料ガス価格は75セント/CFTであり、国際的に見て非常に割安である。これがサウジの石化事業の国際競争力の源泉であり、またサウジで石化事業に投資する外国企業の最大のインセンティブとなっている。
 一方、WTOは加盟国が国内輸出産業に過度なインセンティブを与えることは不公正貿易になる、として禁止している。EUはサウジがWTOに加盟した場合、これまで同国の石化製品に課していた関税障壁を撤廃しなければならず、EU内の石化産業が打撃を受けることは必至である。
 このため石化原料ガス価格と石化関税障壁の相互の問題をめぐってWTO加盟交渉が難航したのである。サウジ側はWTO加盟とガス価格据え置きと言う交渉成果をPRしているが、実際の運用がどのように行われるのか今後を注視する必要があろう。


at 21:03Saudi Arabia  
記事検索
月別アーカイブ
タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ