2005年11月10日

シリア、仏・露・中と製油所建設を計画

11/10 Gulf Daily News (Bahrain)
 バーレーンを訪問中のDardariシリア副首相は、同国が仏、中国、ロシア3カ国と総額40億ドルの製油所建設プロジェクトを交渉中であることを明らかにした。副首相によれば、仏Total社から7万B/D、8億ドルの製油所提案があり、中国とは14万B/D、12億ドルのMoUを締結済み、またロシアとは14万B/Dの製油所と石油化学設備、24億ドルを商談中とのことである。
 またシリアは石油埋蔵量27億バレルであるが、生産量は1990-2000年の60万B/Dから現在は45万B/Dに減少、2010-2030年の間に更に30-35万B/Dに落ちるとの見通しであり、減少分はイラクからの輸入に依存することになろう、と述べた。

コメント:
 シリアはレバノンのハリリ元首相暗殺疑惑で窮地に立っているが、仏、中、露と製油所プロジェクトの商談中であるとして、国際的な孤立感を和らげようとしている。これらの商談がどの程度確かなものか疑問の余地もあるが、3カ国の名前を出すことで米国を牽制しようとしているのは間違いない。特に仏、露はイラク戦争をめぐって米国と対立したためフセイン政権時代のイラクの石油開発権益を含め中東での政治・経済プレゼンスが極端に落ちている。シリアとの関係をてこに中東での巻き返しを図ることは仏、露の戦略の一つと考えられる。また中国は世界中でなりふり構わず石油獲得競争に乗り出している。このような状況を考えてシリアはしたたかな外交を展開しようとしている。


at 19:35Oil  
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