2006年01月31日

クウェート国民の自由と国家の独立をーサバーハ新首長、国会で即位宣誓

(アラビア半島定点観測記事)
1/31 Kuwait Times
Sabahoath.gif 29日に開催されたクウェート国会で、24日に新首長に指名されたサバーハ第15代クウェート首長が即位宣誓の演説を行った。サバーハ首長は演説の中で、憲法と法律を遵守し国民の自由を守り、国家の独立及び領土保全に尽くす、と誓った。
 国会議員は彼を「改革首長」と位置づけ改革を加速することを期待している。また新首長による皇太子の早期指名を求める声も強い。

コメント:
 1/15のジャービル第13代首長の死去を契機に、サバーハ家内部では皇太子から第14代首長となった病弱のサードの即位を主張するサリーム系とこれに反対するジャービル系とが鋭く対立。結局、国会でサードの退位とサバーハ首相(当時)を第15代首長に指名する形で決着がつき、サードの首長在位期間はわずか10日足らずに終わった。(後継者争いの経緯については本ブログ「クウェート・サバーハ家お家騒動顛末記」参照)
 新首長には皇太子及び首相の指名と言う難問が控えている。これまで皇太子は首長の家系(サバーハ首長はジャービル系)とは別の系統(即ちサリーム系)の王族とすることが慣例となっている。このため皇太子の有力候補としてサリーム系のサバーハ外相の呼び声が高い。しかし実は皇太子が首相を兼務すると言うもう一つの慣例がある。2000年にサバーハが首長になったのは、当時皇太子兼首相であったサードが病気で執務不能となったためと言う特殊事情によるものである。
今回の首長後継問題を巡ってジャービル系とサリーム系には大きな溝が生まれており、皇太子選任及び皇太子に首相を兼務させるかどうかは極めて微妙な問題なのである。


at 13:40Kuwait  
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