2006年12月22日

(ニュース速報)UAEで初の国政選挙実施―民主主義へのかすかな風穴(下)

選挙の総括と今後の動向について
 アラブ首長国連邦(UAE)初の議会選挙が12/16のアブダビ、フジャイラ両首長国を皮切りに行われ、12/18ドバイ及びラス・アル・ハイマ、12/20のシャルジャ、アジュマン、ウム・アル・カイワンの3回の選挙で定員20名が全て決まった。

 UAEの連邦議会(Federal National Council, FNC)は定員40名であり、7つの首長国それぞれにアブダビ、ドバイ各8名、ラス・アル・ハイマ、シャルジャ各6名、フジャイラ、アジュマン、ウム・アル・カイワン各4名が割り当てられ、建国以来これまでは全て各首長が任命していた。GCCでは既にクウェイト、オマーン及びバハレーンの3カ国が国政レベルの普通選挙を実施しており、またサウジアラビアでも昨年地方議会の選挙が行われた。このような湾岸諸国の民主化の流れを受けてUAEでも選挙の実施に踏み切ったものである。

 しかし今回の選挙は有権者総数がわずか6,689人であり、UAE自国民の成人者数(完全普通選挙の潜在的な有権者)の2%にも満たず、極めて制限された選挙であった。これは有権者を申告登録制とし、しかも政府の資格審査を通過した者に限定したためである。選挙期間中にUAEを訪問したブレア英首相もこの点について苦言を呈しているほどである 。

 一方、立候補者は438名の乱立状態となった。その結果、当選者の得票数は非常に少なく、例えばウム・アル・カイワンの2位当選者の得票はわずか97票に過ぎなかったのである 。女性も63名が立候補したが、当選者はアブ・ダビ選挙区のAmal Abdullah Al Qubaisi一人にとどまった 。因みにGCCの女性議員としては11月に行われたバハレーン総選挙以来二人目である。

 21日、ハリーファUAE大統領(兼アブダビ首長)は声明を発表し、今回の選挙が平穏に終わったこと、これがUAEの民主化の第一歩である、と自画自賛している 。有権者が極めて少なく、また多数の立候補者があったため、当選者を政治的に色分けすることは困難である。クウェイトやバハレーンの選挙では部族、宗派(シーア派、スンニ派)等の色分けが明確であったため、選挙後の政府と議会の関係もある程度予測が可能であったが、UAEの場合、政局がどのように動くか予測は難しい。

 政府は今後段階的に完全普通選挙を目指すとしているが、具体的な日程は明らかにしていない。このため国外のメディアは、UAEの民主化の進展は今回の当選者たちの今後の活躍次第である、と論評している 。


at 15:09UAE(Abu Dhabi, Dubai)  
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