2007年04月04日

(ニュース速報)アブダッラー・カタル首相、突然の辞任、後任にハマド副首相

 カタル国営通信は、アブダッラー・ビン・ハリーファ首相が辞任し、後任としてハマド・ビン・ジャーシム第一副首相兼外相が指名されたことを報じた(4/4付けサウジアラビアArab Newsによる)。アブダッラー首相は、ハマド首長の異母弟(ハリーファ前首長第三夫人の長男)である。(「アル・サーニー家系図」参照)彼は1959年生まれ48歳の若さであり、1996年に首相に任命されたが、近年は疲れ気味であるとしばしば報道されており、地元消息筋は彼の辞任については驚きを示していない。

 後任首相のハマド・ビン・ジャーシムも前首相と同じ1959年生まれであり、ハマド首長の遠縁の王族である。ハマドの首相昇格により、副首相はエネルギー・工業相及び水・電力相を兼務するアル・アティヤ1人となった。なおRasGasのManaging Directorムハンマド・サーレー・アル・サーダが新たにエネルギー・工業担当国務相に就任した。
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 カタルではハマド首長が強い権力を有し、また最近ではタミム皇太子が表舞台に出ることが多くなったため、アブダッラー前首相の地位は儀礼的なものになっていると言われており、最近では公式の場に出ることも少なくなったようである。

 カタルの首長家では、2003年に皇太子がハマド首長の第二夫人モーザ妃の長男ジャーシムから次男タミムに交代した。また2003年の内閣改造でアブダッラーの弟ムハンマド・アル・サーニーが経済・商業相に就任したが、昨年3月、ハマド首長、タミム皇太子により解任されている。

 これらのことから、アル・サーニー家内部でハマド首長はタミム皇太子への世襲路線を明らかにしつつあると考えられる。ハマド首長自身が父親であるハリーファ前首長の外遊中の1995年に宮廷クーデタにより首長となっており、これまでの一連の王族の人事問題は、首長家内部の複雑な事情の一端を示しているとも言えよう。

*参考:
カタル・サーニー家の構図」(MENA Informant 2002年12月22日)
 カタル内閣閣僚名簿


at 22:29Qatar  
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