2009年10月18日

世界のイスラム人口(PEW FORUMレポートより)(下)

(注)ホームページ「マイ・ライブラリー」に上下一括掲載されています。

3.非イスラム国家のイスラム人口
(表「世界の国別イスラム人口」参照)
 イスラム国家ではないが、中国およびロシアにもそれぞれ22百万人、16百万人のイスラム教徒がおり、信者数では世界20位前後である。ロシアはソ連崩壊によりウズベキスタン(信者数:26百万人)など中央アジアのイスラム諸国が独立した現在もかなりのイスラム教徒が残っており、隣接イスラム諸国との軋轢、或いはチェチェン問題など少数民族問題としての火種を抱えている。中国の場合も最近のウィグル自治区における騒乱に見られるように、イスラム系少数民族の問題は中央政府にとって頭痛の種となっている。

 西欧諸国でイスラム教徒が最も多いのはドイツの4百万人強であり、同国の人口に占める割合は5%程度である。ドイツに次いで信者数が多いのはフランス(約360万人)であり、全人口に占める比率はドイツより若干多い6%と推定されている。そのほか米国には250万人、英国にも165万人程度がいる。なおPEWレポートでは、日本のイスラム信者数は183千人と推定しており、全人口に占める割合は0.1%以下である。

4.シーア派の信者数
(表「世界各国のイスラム教シーア派信者数」参照)
 イスラム教にはスンニ派とシーア派の二大宗派があるが、PEWレポートによれば全世界のシーア派信者は1.5億~2億人程度であり、全イスラム教徒(15.7億人)に占める割合は10~13%になる。

 国別に見るとイランが最も多く6,600-7,000万人である。同国のイスラム教徒の90-95%はシーア派信者であり、また全世界のシーア派信者の4割近くを占めている。イランに次いでシーア派信者が多いのはイラクで(1,900-2,000万人)であり、これは同国のイスラム教徒の65-70%に達し、イラクではシーア派がスンニ派を2倍前後上回っている。

 そのほかシーア派信者が多いのはパキスタン(1,700-2,600万人)、インド(1,600-2,400万人)、トルコ(700-1,100万人)などであるが、これらの国ではシーア派は10-15%を占めるに過ぎず、スンニ派が多数派である。

 なおレバノン及びバハレーンのシーア派信者数はそれぞれ100-200万人、40-50万人であり、信者の絶対数はさほど多くないが、イスラム教徒全体に占める割合はレバノンが45-55%、バハレーンは65-75%に達する。レバノンにはキリスト教徒が多数おり、宗教のモザイク国家の様相を呈しているが、イスラム教徒についてもスンニ派とシーア派の数が拮抗しており、同国の政情不安の原因となっている。またバハレーンは国民の多数をシーア派が占めているにもかかわらず、支配王家(ハリーファ家)はスンニ派であり、宗教的には少数派が多数派を支配する構図である。このためバハレーンではシーア派住民による反政府デモが頻発しており、ハリーファ家はその対応に苦慮している。

(完)

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