2010年11月28日
MENA(中東・北アフリカ)22カ国の「ビジネス環境」(2011年版)(4)
(注)本レポートは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0163MenaRank13.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その13)
5.2008~2011年のMENA域内の順位の推移
(表「ビジネス環境ランキング2008-2011年」http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/5-13b2008-2011.gif 参照
2008年から2011年の4カ年について各国のMENA域内の順位を見ると、サウジアラビアが4カ年連続してMENAトップの評価を得ている。これに次いで2位がバハレーン、3位はイスラエルであり、この3カ国が連続してトップ3を占めている(但しバハレーンがランク付けされたのは2009年以降)。
これに続くのはUAEとカタールである。上位5カ国のうちイスラエル以外の4カ国はGCCを構成する国々であり、残るオマーン及びクウェイトもMENAの上位グループを占めている。但しクウェイトは2008年の3位(この年はバハレーン、カタールはランク対象外)から09年及び10年には6位、そして今回は9位に転落しており、ビジネス環境が悪化している。
クウェイトのように年を追ってランクが下落している国はレバノン(8位→11位→13位→13位)である。一方順位を上げている国はUAE(6位→5位→4位→4位)、チュニジア(9位→9位→8位→6位)及びエジプト(13位→13位→12位→10位)などがある。
6.主要国の世界順位の推移
サウジアラビア、イスラエル、トルコ及びエジプトの4カ国に日本及び中国を加えた6カ国の2008~2011年の世界順位の推移を見ると(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/5-13d2008-2011.gif参照)、サウジアラビアは2008年には世界23位であったが、その後09年は16位、10年は13位と毎年順位を上げ今回は11位に躍進しトップテン入りが目前である。これに対し日本は08年、09年と連続して世界12位であったが、2010年には15位に下がりサウジアラビアに追い抜かれている。そして今回はさらに順位を落とし18位にとどまった。
UAEとトルコを比べると2008年はトルコの57位に対してUAEは68位でありトルコが上位であった。しかし、その後09年から10年にかけてトルコは59位、73位と低落傾向を示し、一方のUAEは46位、33位と躍進し両者の立場は逆転した。今回はUAEがランクを落とし(40位)、トルコが若干順位を上げた(65位)ため両者の差は縮まっている。
エジプトは08年の126位以降、114位(09年)、106位(10年)と世界100位以下であったが、今回は94位に上がり4年連続して順位を上げている。前回から今回にかけてはサウジアラビア、トルコ、エジプトがいずれも順位を上げている中でUAEのみ順位が下落しており、ドバイ・ショックによるUAEの凋落が際立っている。
なお中国の国際順位は83位(08年)→83位(09年)→89位(10年)→79位(11年)であり、トルコとエジプトのほぼ中間である。
(完)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp