2011年01月25日

MENA(中東・北アフリカ)22カ国のITネットワーク整備指数(2009-10年版)(上)

(注)本レポートは「マイ・ライブラリ」に一括掲載されています。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0168MenaRank17.pdf

(MENAなんでもランキング・シリーズ その17)

 東はアフガニスタンから西はモーリタニアまでのMENA(中東・北アフリカ)22カ国をいろいろなデータで比較しようと言うのがこの「MENAなんでもランキング・シリーズ」です。「MENA」は日頃なじみの薄い言葉ですが、国ごとの比較を通してその実態を理解していただければ幸いです。

 第17回のランキングは、「世界経済フォーラム(World Economic Forum, 略称WEF)」が毎年発表する「The Global Information Technology Report」(*)の中から「The Network Readiness Index 2009-2010」についてMENA諸国をとりあげて比較しました。

* ホームページ:http://www.networkedreadiness.com/gitr/

1.「The Network Readiness Index」について
「The Network Readiness Index」(ITネットワーク整備指数、以下NRI)は、毎冬スイスで開催される「ダボス会議」の主催者として世界に名を知られている「世界経済フォーラム(World Economic Forum, 略称WEF)」が作成したものである。WEFでは毎年「The Global Information Technology Report」を発表しており、その中でITの整備状況に関する各国の競争力をIndex(指数)としてランク付けしている。今回の2009-2010年レポートでは世界133カ国がランク付けの対象となっている。

Indexは(1)Environment (ITネットワークの市場、政治・法律制度及びインフラの整備状況)、(2)Readiness (ITネットワークに対する個人・企業及び政府部門の適応状況) 及び(3)Usage (個人・企業及び政府部門におけるITネットワークの利用状況)の三つのサブ分野で構成され、また三つのサブ分野についてそれぞれ3項目を評価対象としている。そしてこれら合計9項目について各国毎に評価し、それらを総合した指数(NRI)により133カ国をランク付けしている。

サブ分野とそれぞれの評価項目
(1) Environment Sub Index(環境整備状況のサブ指数)
Market environment(市場環境)
Political and regulatory environment(政治・制度環境)
Infrastructure environment(インフラ整備環境)
(2) Readiness Sub Index(アクセス利便性のサブ指数)
Individual readiness(個人の利便性の状況)
Business readiness(産業界の利便性の状況)
Government readiness(政府の利便性の状況)
(3) Usage Sub Index(利用状況のサブ指数)
Individual usage(個人の利用状況)
Business usage(産業界の利用状況)
Government usage(政府の利用状況)

2. 今回の順位MENAトップはUAE
今年度のレポートでランク付けの対象となった国の数は133カ国であるが、そのうちMENAは昨年と同数の16カ国である。MENA22カ国のうちランク付けされた国とされていない国は下記の通り。

ランク付けされた国(16カ国):
イスラエル、UAE、カタール、バハレーン、チュニジア、サウジアラビア、ヨルダン、オマーン、クウェイト、トルコ、エジプト、モロッコ、シリア、リビア、アルジェリア、モーリタニア、

ランク付けされていない国(6カ国):
アフガニスタン、イラン、イラク、レバノン、スーダン、イエメン

 16ヶ国のランクは「ITネットワーク整備サブ指数世界ランク,2009-2010  (http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/5-17bNriSubIndex(table).pdf )」のとおりであるが、MENA諸国の中でNRIが最も高いのはUAEである。同国は世界ランク23位であり、日本(同21位)とほぼ同じである。MENA第2位はイスラエル(同28位)、第3位バハレーン(同29位)、第4位カタール(同30位)であり、これら3カ国は世界順位も連続しており殆ど差が無いことがわかる。
 
第5位から8位までにはサウジアラビア(世界38位)、チュニジア(同39位)、ヨルダン(同44位)及びオマーン(同50位)が並んでおり、これらMENA上位8カ国は全世界133カ国の上位グループに入っている。

MENA9位以下はトルコ(世界69位)、エジプト(同70位)、クウェイト(同76位)、モロッコ(同88位)までが世界100位以内である。世界100位以下にはモーリタニア(102位)、リビア(103位)、シリア(105位)、アルジェリア(113位)と続いている。

MENA上位5カ国のうちイスラエルを除く4カ国(UAE、バハレーン、カタール及びサウジアラビアはいずれも湾岸GCC諸国である。GCCにはこのほかオマーン及びクウェイトがあるが、このうちオマーンは世界50位で上位グループに入っているが、クウェイトは世界76位であり、GCCの中では極めて低い評価が下されている。クウェイトは国土も人口もさほど大きくなく、それでいて産油国として財政が豊かであるにも関わらず同じようなUAEやカタールに比べてITネットワークの整備が非常に遅れていると判定されたのは奇異であると同時に大きな問題をはらんでいると言えそうである。

なおMENA16カ国の世界平均順位は63位であり全体としては世界平均をやや上回る水準である。

(続く)

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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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drecom_ocin_japan at 16:51コメント(0)トラックバック(0)MENA  

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