2014年05月27日

アラブ世界の有力者100人(Gulf Business’s Top 100 Powerful Arabs)(下)

(注)このレポート(上)(下)は「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0313PowerfulArabs100.pdf

(サウジアラビアとUAEで全体の半数!)
2.国別の分布
 国別で最も多いのはサウジアラビアの28人である。そしてトップ10には5人が入っている(上記1参照)。世界最大の石油埋蔵量を誇る同国は豊かな経済力でアラブ諸国の中で唯一G20に選ばれている。従ってTOP100人に選ばれる有力者も金融業、ビジネスマンが多く、例えば不動産・建設関連のムハンマド・アル・ジャービル(MBI International CEO、ランク11位)、ゼネコンのバクル・ビンラーデン(ビンラーデン・グループ総帥、同12位)、オラヤン金融グループのルブナ女史(同13位)などが上位に名前を連ねている。その他メディアグループMBC会長のワリード・アル・イブラヒム(同31位)、トヨタ自動車総代理店のオーナー、ジャミール氏(同49位)、工業財閥ザーミルグループのトップでサウジ商工会議所連盟会頭でもあるアブドルラハマン・ザーミル氏(同50位)など多彩な顔ぶれである。


 サウジアラビアに次いでUAEが21名リストアップされている。トップ3名は上記のとおりシェイク・アハマド・エミレーツ航空会長(ランク2位)、ドバイのハシミ女史(同5位)及びEmaar会長アラバール氏(同9位)で、いずれもドバイである。これら3名に続いてアブダビ政府系ファンドMubadalaのハルドゥーンCEOが15位に、またドバイ投資会社(ICD)のシャイバニCEO(同17位)、Mashreqのアル・グレアCEO(同18位)など投資ファンドのトップの名があがっている。エネルギー関係では国営石油ADNOCのDirector General(Abdullah Al Suwaidi、28位)及び国務相でMasdarのCEOであるSultan Al Jaber(同74位)がいる。


 サウジアラビア、UAEに次いで多いのがカタールであり、同国トップはカタール投資庁(QIA)のCEOアハマド・アル・サイードであり、全体でも8位に評価されている。その他にはタミーム現首長の母親のモーザ妃(27位)や現首長の妹でカタール博物館長のアル・マヤッサ王女(16位)、ハナディ・ビント・ナーセル王女(48位)など女性王族の名が挙がっている。


 これら3カ国以外でリストアップされた国と人数は以下のとおりである。
クウェイト(9名)、レバノン(7名)、パレスチナ(6名)、エジプト(4名)、バハレーン(3名)、イラク、オマーン(各2名)、アルジェリア、ヨルダン、リビア、エチオピア(各1名)


(金融関係が最多の29名!)
3.業種別分布
 業種別では金融関係が全体の3割弱の29名を占めている。トップはKingdom Holdingのアルワリード王子(全体でも1位)。次に多いのがIndustry部門の14名、続いて文化・社会関連(12名)、不動産関連、技術関連(共に9名)、複合多角企業、エネルギー関連(各7名)、小売業、運輸関連(各4名)、通信関連(3名)、メディア関連(2名)等となっている。
 
 特色のある人物を列挙すると、デザイナーのElie Saab、Zuhair Murad(共にレバノン)、OPEC事務総長El-Badri(リビア)、Suwaidi UAE中央銀行総裁(UAE)、時事問題解説者Sultan Al Qassemi(UAE)、乳がん撲滅運動家Dr.Samia Al Amoudi(サウジアラビア)などである。


以上


本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp




drecom_ocin_japan at 05:17コメント(0)トラックバック(0) 

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