2014年07月31日

MENA(中東・北アフリカ)22カ国の対外直接投資(UNCTAD2014年版)(9)











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(続く)


 なお日本、米国、中国の流入残高はそれぞれ1,710億ドル、4兆9千億ドル及び9,600億ドルである。MENAトップのサウジアラビアに比べると、日本は同国よりやや少なく、米国は24倍、中国は4.6倍である。またMENA全体の投資残高(1兆50億ドル)は、中国のそれを少し上回っており、日本の6倍、米国の5分の1である。


 カタールは投資残高ではMENA10位であるが単年度流入額は-8億ドルの純減となっておりMENAの中では最下位である。同国はLNG生産7,700万トン体制が完了したため投資が峠を越えた状態である。2022年のワールドカップのための大規模な工事が始まっているが、これらは政府資金或いは国内の民間資本で賄われ、海外からの投資は少ないものと思われる。


 2013年の単年度流入額(本レポート第1章参照)と残高順位を比較すると、流入額ではトルコ1位、イスラエル2位、UAE3位、サウジアラビア4位、エジプト5位であり、残高ではサウジアラビア1位、トルコ2位、UAE3位、イスラエル4位、エジプト5位であり、これら5カ国はMENAの中で外国投資家の人気が高いことがわかる。


 6位以下10位まではレバノン(556億ドル)、モロッコ(503億ドル)、イラン(409億ドル)、チュニジア(336億ドル)、カタール(300億ドル)であり、イエメン及びパレスチナ自治政府は投資残高100億ドル以下である。


 投資残高の最も多い国はサウジアラビアの2,083億ドルであり、2位はトルコの1,455億ドル、3位はUAEの1,055億ドルであり、MENAの中ではこれら3カ国が1千億ドルを越えている。これら3カ国がMENA全体に占める割合は46%に達する。続く4位はイスラエル(882億ドル)、5位エジプト(850億ドル)である。これら5カ国の中ではトルコが前年度より356億ドルの大幅減少であり、一方サウジアラビア、UAE、イスラエル及びエジプトの4カ国はそれぞれ93億ドル、105億ドル、122億ドル、96億ドル増加している。


(高い投資流入残高を誇るサウジアラビアとトルコとUAE!)
5.2013年末のFDI Inward Stock(直接投資流入額残高) 
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/4-T05.pdf 参照)
 2013年末のMENA直接投資流入額残高(以下流入残高)総計は1兆50億ドルであり、世界全体の流入残高25兆4,600億ドルに占める比率は4.0%であった。同年中のMENAの直接投資流入額の全世界に占める割合(4.9%)よりやや低い。

(注)本シリーズ1~13は「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0320MenaRank4.pdf

(MENAなんでもランキング・シリーズ その4)



drecom_ocin_japan at 08:20コメント(0)トラックバック(0) 

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