2014年08月01日
MENA(中東・北アフリカ)諸国の対外直接投資(UNCTAD2014年版)(10)
(注)本シリーズ1~13は「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0320MenaRank4.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その4)
6.1990-2013年末の流入残高の推移
(直接投資の存在感が高まるMENA地域!)
(1)MENAの直接投資流入残高
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/4-T06.pdf 参照)
1990年末のMENAの流入残高合計は616億ドルであり全世界の投資残高2兆ドルの3%を占めていた。10年後の2000年末には残高は1,358億ドルに倍増している。その後も流入残高は急激に膨らみ、2008年末は5,982億ドルと8年間で4.4倍に増加し世界全体に占める割合も4%を超えた。2010年には前年比25%増の8,600億ドルに達し、2013年末の流入残高は1兆ドルを超えている。この間のMENAの伸び率は世界全体のそれを上回っており、MENA投資残高の世界全体に占める割合も1990年の2.97%から2013年には3.95%にアップしている。
MENAの流入残高を日本、米国及び中国と比較すると、1990年末の日本の残高は99億ドルでサウジアラビア、トルコ或いはエジプトよりも少なかった。中国の残高は207億ドルでMENAの3分の1にとどまる。これに対し米国の流入残高は5,396億ドルあり、MENAを10倍近く引き離していた。2000年末ではMENAの残高は日本(503億ドル)の3倍である。中国の残高は10年間で9倍に膨張、1,933億ドルとなりMENAを追い越している。一方、米国の残高は2.8兆ドルに達しMENA総額の20倍を超え両者の格差はひろがった。
2013年末の流入残高はMENA1兆50億ドル、日本1,710億ドル、米国4.9兆ドル、中国9,600億ドルであり、日本はMENAの17%、米国がMENAの5倍、中国は95%である。2000年から2013年までの間にMENA諸国への投資が伸び、再び中国を抜き返し米国との格差も縮小している。世界の直接投資におけるMENAの存在感が高まったと言えよう。
(続く)
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