2014年11月22日
トップでも世界113位のアラブ諸国(日本だって104位!):2014年版世界男女格差報告(3)
(注)本レポートはブログ「マイライブラリー(前田高行論稿集)で一括してお読みいただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0330MenaRank8.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その8)
3.分野別順位
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/8-T03.pdf参照)
経済、教育、健康・寿命及び政治の四分野ごとに見たMENA17カ国の順位は以下のとおりである。
(1) 経済分野の男女格差
経済分野の男女格差がMENAで最も小さいのはイスラエルで、同国の世界順位は90位である。第2位以下は全て世界100位以下であり、カタール(世界順位101位)、クウェイト(同106位)、UAE(同123位)、バハレーン(同126位)、オマーン(128位)とGCC諸国が続いている。総合順位130位のサウジアラビアはこの分野では137位である。経済分野のMENAの平均世界順位は127位となっており、総合の平均順位124位より少し
劣っている。MENAでは経済分野における男女格差が大きいと言えよう。
因みにこの分野における日本の世界順位は102位であるが、詳しい内容を見ると女性管理職のランクは世界112位であり、専門技術職の世界ランク78位に比べ女性の昇進の壁が厚いようである。また賃金の男女格差は世界平均を上回る53位である。
(2) 教育分野の男女格差
教育分野もイスラエル(世界49位)がMENAのトップである。MENAでこれについで世界順位が高いのはヨルダン(世界74位)及びクウェイト(同76位)であるがそれでも世界の上位グループには入っていない。これに続くのはUAE(同83位)、サウジアラビア(同86位)、バハレーン(同90位)、カタール(同94位)、オマーン(同96位)が世界100位以内に入っている。世界順位100位以下ではシリア(101位)、イラン(104位)、トルコ(105位)、レバノン(106位)、チュニジア(107位)及びエジプト(109位)が100位から110位までにひしめき合っている。
この分野のMENAの平均世界順位は97位である。実は世界的に見てこの教育分野の男女格差は小さく、スコアが1.000の国(即ち男女格差が全くないか、または女性の方が教育度の高い国)が20カ国以上あり、イスラエル(世界49位)のスコアは0.9964、エジプト(同109位)のそれは0.9467である。
日本は文盲率、初等・中等教育は男女に差が無いが、高等教育にわずかな男女格差がありポイントが0.9781である。この結果日本の世界順位は93位とされ、この分野ではごくわずかなスコアの差で順位が大きく上下することがわかる。
(続く)
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