2015年01月29日
イスラエルとGCC以外は世界の平均以下:E-Government指数(2014年版)(3)
(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0336MenaRank19.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その19)
4.通信インフラ、人材の2部門でイスラエルがトップ:要素別開発指数
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/19-T021.pdf参照)
E-Government開発指数は(1)Online Service(オンライン・サービス), (2)Telecommunication Infrastructure(通信インフラ)及び(3)Human Capital(人材)の3つの分野で構成されており、それらを総合した世界193カ国あるいはMENA19か国の順位はすでに説明したとおりである。本項では各国の3分野の指数及びMENAの順位を概観する。
(1) Online Service(オンライン・サービス)
オンライン・サービスの開発指数がMENAで最も高いのはバハレーンの0.9370である。指数が0.9台を超えているのはMENA19か国の中でバハレーンだけであり、この分野では韓国(総合世界1位)の指数0.9764、同6位の日本の0.9449、同7位米国の0.9449とそん色の無い指数である。
オンライン・サービスでバハレーンに続いて高いのはUAE(指数0.8819)及びイスラエル(同0.8740)が0.800台であり、サウジアラビアは0.7717、オマーンは0.7323である。このほか指数が0.600台の国はモロッコ、カタール、チュニジア、0.500台の国はエジプト、クウェイト、トルコ及びヨルダンの各国であり、MENAの平均は0.5213である。なお中国の指数は0.6063でエジプトを少し上回る水準である。
その他イラン、レバノン等7カ国は指数が0.500未満で開発度が低く、特にアルジェリア及びリビアの開発度は0.100未満となっている。
(2) Telecommunication Infrastructure(通信インフラ)
通信インフラの開発度が高い国はイスラエルとバハレーンが指数0.700台であるが、その他のMENA各国は0.500台以下であり上位2カ国との格差が大きい。因みに韓国は0・9350、日本は0.8553であり、イスラエル、バハレーンをかなり上回っている。
UAEはドバイが先端インフラを備えた都市としての評価が高いが、通信インフラに関しては開発指数は0.5932であり必ずしも欧米先進国の水準には達していないようである。サウジアラビア、カタール、クウェイトなどGCC各国もUAEとほぼ同程度の開発度と評価されている。MENAの平均値は0.4036であるが、シリア、アルジェリア及びイエメンはこの水準を大幅に下回っている。因みに中国の指数は0.3554でMENAではエジプト、リビアと同程度である。
(3) Human Capital(人材)
人材面で高い評価を受けているのはイスラエル(指数:0.8545)であり日本とほぼ同等である。この分野で世界最高レベルにあるのは米国(指数:0.9390)あるいは韓国(同:0.9273)である。イスラエル以外のMENA各国の開発指数は低く、同国に続くバハレーンの指数は0.7840である。ただしこの指数は他の二つの指数に比べ世界的な格差が比較的小さく、MENAの平均値は0.6654となっている。
(続く)
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