2015年05月26日
IT格差の大きいMENA地域:MENA(中東北アフリカ)のITネットワーク整備指数(2015年版)(4)
(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0344MenaRank17.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その17)
3. 分野別に見る各国の状況(続き)
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/17-T02.pdf参照)
(一人当たりGDPの高い国は個人のIT利用状況も高い!)
(6) Individual usage (個人の利用状況)
個人の利用状況についてMENAのトップはバハレーンであり、同国の世界順位は14位である。この順位は日本(世界順位13位)に次いで高く米国(同18位)を上回っている。バハレーンに続くのはカタール(同19位)、UAE(同20位)である。MENA4位以下はイスラエル(同28位)、サウジアラビア(同36位)、クウェイト(同38位)、オマーン(同41位)で以上が世界50位以内である。MENA上位はイスラエルとGCC6か国であり一人当たりのGDPの高さと個人の利用度の高さが相関していることがわかる。MENA17カ国の世界平均順位は59位であり、10項目の中では世界順位が最も高い。
(参考:日本13位、米国18位、中国80位)
(MENAでダントツのイスラエル!)
(7) Business usage (ビジネス部門の利用状況)
MENA17カ国の中でビジネスにおける利用状況が最も高いのはイスラエルであり、同国は世界順位も第9位のトップクラスである。MENA2位はカタールであるが世界順位は25位でイスラエルとかなり隔たりがある。カタールとわずかな差でUAE(世界27位)が続き、少し差が開いてサウジアラビア(同42位)、バハレーン(同49位)、ヨルダン(同50位)、トルコ(同53位)の順である。MENA17カ国の世界平均順位は81位。
(参考:日本2位、米国7位、中国46位)
(UAE、カタール、バハレーン、サウジアラビアの湾岸4カ国が世界のトップ・テンに!)
(8) Government usage (政府部門の利用状況)
政府部門のIT利用がMENAで最も進んでいる国はUAEで、同国は世界2位である(因みに1位はシンガポール)。UAEに続くバハレーン、カタール、サウジアラビアの各国も世界ランクが4位、5位及び8位である。この分野ではMENA、特に湾岸産油国は世界のトップレベルであり、米国(世界14位)を上回っている。
しかし世界順位100位以下の国もエジプト、イランなど6カ国がありMENA17カ国の中では上下の格差が大きい。MENA17カ国の世界平均順位は65位。
(参考:日本7位、米国14位、中国39位)
(ここでもイスラエルがダントツ!)
(9) Economic impact (経済的インパクト)
経済的インパクトがMENAで最も強いと判定されたのはイスラエルで世界順位は6位である。これに続くのはUAEであるが、同国の世界順位は27位でイスラエルと大きな差がある。UAEに次いでカタールが世界32位であり、以下サウジアラビア(世界41位)、ヨルダン(同42位)、バハレーン(同48位)までの6カ国が世界50位以内である。MENA17カ国の世界平均順位は77位。
(参考:日本12位、米国7位、中国71位)
(UAEとカタールは世界のベスト・テン!)
(10) Social impact (社会的インパクト)
社会的インパクトの指標ではUAE(世界2位)及びカタール(同10位)が世界のベストテンに入っている。そのほかの国ではバハレーン(同17位)、イスラエル(同19位)が米国(同11位)、日本(13位)とともに20位以内に入っている。30~40位台にはオマーン(同35位)、サウジアラビア(同37位)、ヨルダン(同44位)があり、中国(40位)はこれら各国と同程度の水準にある。MENA17カ国の世界平均順位は70位。
(参考:日本13位、米国11位、中国40位)
(続く)
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