2015年07月22日

減り続けるMENAへの直接投資:UNCTAD「世界投資レポート2015年版」(13)

(注)本シリーズは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0350MenaRank4.pdf

(MENAなんでもランキング・シリーズ その4)


8.1990-2014年末のFDIアウトバウンド残高の推移
(まだまだ少ないMENAからの対外投資、世界に占める比率は1.4%!)
(1)MENAのFDIアウトバウンド残高
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/4-T08.pdf 参照)
 1990年末のMENAのFDIアウトバウンド残高は合計111億ドルであり、2000年末には2.5倍の272億ドルに増加した。しかし世界全体に占める割合は0.4%であり、外国直接投資(FDI)の出資国(FDIアウトバウンド国)としての存在感は殆どなかった。その後FDIが世界的規模で拡大する中でMENA諸国の投資額も増え、2009年末の対外投資残高は2,380億ドルとなり、2012年末には3千億ドルを超え、2014年末の残高は3,731億ドルに達して全世界に占める割合も1.4%となった。全世界に占める割合は2000年当時の0.4%からはかなり上昇しておりMENAの対外投資における存在感も少しずつ高まっている。因みに2014年末のMENAの対外投資残高は中国(7,296億ドル)の6割弱であり、日本(1.2兆ドル)の3分の1、米国(6.3兆ドル)の17分の1である。


(トップを走り続けるイスラエル、躍進目覚ましいカタール!)
(2)主要6カ国のFDIアウトバウンド残高の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/4-G05.pdf 参照)
 2014年末のFDIアウトバウンド残高上位6カ国(イスラエル、UAE、サウジアラビア、トルコ、クウェイト及びカタール)について1990年以降の残高の推移を見ると、1990年の対外投資残高は最も多いクウェイトでさえ37億ドルにすぎず、同じ湾岸産油国のUAEはわずか1千万ドル、カタールに至ってはゼロと言う状況であった。


 その後2000年末にイスラエルの残高は100億ドル近くに増加し、さらに2009年末にはイスラエルとUAEの両国の残高が急激に膨らみ500億ドルを突破している。その他の国の残高もサウジアラビア403億ドル、クウェイト、カタール各160億ドル、トルコ148億ドルと急増している。カタールは160億ドルと一気にクウェイトに並ぶようになった。

 イスラエルとUAEは2009年以降も残高は順調に伸びており、イスラエルは2000年以降MENAトップの座を維持するとともに、この2カ国がMENAの中で突出する状況が続いている。ただ両国を比較するとイスラエルの伸びが高く2014年末の残高はイスラエル780億ドル、UAE663億ドルと両国に100億ドル以上の差が出ている。サウジアラビアは2009年末に大きく増加して403億ドルに達したが、2010年に170億ドルまで急減、クウェイト、トルコ、カタールと同規模になり、それ以後これら4カ国は各年によって順位に入れ替わりがあるものの、FDIアウトバウンド残高はほぼ同じようなペースで増加している。


 躍進が目覚ましいのはカタールであり、同国の場合2000年末の投資残高は1億ドル未満に過ぎなかったが、2009年には160億ドルに急成長しており2014年末の残高は352億ドルと5年間で2倍強に増えている。


以上


(MENAなんでもランキング・シリーズ4 海外直接投資 完)

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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp



drecom_ocin_japan at 08:55コメント(0)トラックバック(0) 

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