2015年12月22日

格差の大きい湾岸産油国とその他―MENA(中東・北アフリカ)の「人間開発指数」(2015年版)(3)

(注)本シリーズは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0367MenaRank11.pdf

(MENAなんでもランキング・シリーズ その11)


(世界に後れを取るMENA諸国!)
3.2014年と2013年のHDI比較
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/11-T01.pdf 参照)
 2013年と2014年のHDIを比較するとアラブ諸国の平均HDIは両年とも0.686でありHDIは現状維持であった。しかし世界の平均HDIは2013年の0.709から2014年は0.711へとわずかながらアップし、その結果MENAの世界平均順位は79位から80位に下がっている。MENA諸国は世界に後れを取っているのである。


 各国別に見ると世界順位がアップした国はカタール(33位→32位)及びアルジェリア(84位→83位)の2か国だけであり、その他の17か国1機関の順位は横ばいもしくはダウンしている。特にリビアは2013年の83位から2014年には94位へ11ランクも下がっている。


 ところがHDI指数で見ると前年より下がったのはリビア、イラク、シリア及びパレスチナだけであり、他の16か国は前年より指数がアップしており、指数がアップしても世界順位が上がらないと言う結果になっている。これは世界平均の指数の上昇幅がMENAの多くの国を上回っているからである。MENA各国が世界から取り残されていることを示している。


 MENA各国の順位を前回と比べるとイスラエルからクウェイトまでの上位6カ国の順位は変わらない。リビアがMENA7位から同13位に急落した例を除けばその他の国々もMENAの順位に大きな変動はない。下位グループのエジプト、パレスチナ、イラク、モロッコ、シリア各国は前回、今回共にHDIが0.700未満の中位人間開発(MHD)にとどまっており、イエメンは前回、今回ともにMENA最下位にとどまっている。


 世界1位は2年連続でノルウェーであり同国のHDIは0.942から0.944にアップしている。日本、米国及び中国を見ると、日本はHDIが0.890から0.891にアップしたが、世界順位は19位から20位にダウンしており、MENA1位のイスラエルより低い。米国も日本と同様、HDIがアップしたにもかかわらず、世界順位は7位から8位に落ちている。これに対して中国はHDIポイントを0.004アップさせ、順位も世界93位から90位にアップさせている。


(続く)


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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
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drecom_ocin_japan at 11:25コメント(0)トラックバック(0) 

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