2017年04月20日

大きくランク落ちしたGCC:MENA(中東・北アフリカ)諸国の世界平和指数(2016年版)(3)

(注)本レポート(1)~(4)は「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/MenaRank12.pdf

MENAなんでもランキング・シリーズ その12)

 

2017.4.21

前田 高行

 

(平和が脅かされるMENA地域、王制国家が軒並み悪化!)

3.2015年と2016年の比較

(http://menarank.maeda1.jp/12-T02.pdf 参照)

 今回と昨年の平和指数、世界ランク及びMENA各国間のランクの変動を比較してみると、まずMENAの平均指数スコアは昨年の2.336に対して今年は2.528であり0.193ポイント改善している。しかしMENA平均の世界ランクは昨年の108位から今回は117位へ9ランクも落ちている。指数がアップしたにもかかわらず順位が下がったのは、世界全体の今年の指数の上昇がMENAのペースを上回っており、MENAの平和度が低下したことを示している。

 

 これを国別に見るとMENAのうち世界順位を上げた国はチュニジア、イラン及びイスラエルの3か国にとどまり、その他16か国の世界順位は前年度と同じか又はダウンしている。中でもサウジアラビアは前回の95位から今回は129位と34位も大幅に落ちている。またヨルダン、バハレーンもそれぞれ大きくダウンしている。その他クウェイト(前回33位→今回51位)、UAE(同49位→61位)などMENA諸国の中では比較的順位が高かった両国も50位以下に落ちている。これらの国々はヨルダン以外はいずれもGCCの君主制国家である。これまで比較的安全で平和と言われたこれらGCC諸国が大きく揺れ動いていることを暗示しており、今後を注視する必要がある。

 

 トルコはスコアはアップし(2.363→2.752)安全度が増したと評価されたが、世界順位は135位から145位に下がっている。エジプトもトルコと同様の傾向を示しスコアはアップ、世界ランクはダウンしている。これに対してトルコ、エジプトと並ぶ中東の大国イランはスコア及び世界ランクともにアップしている。3か国の評価が分かれる理由は、トルコ、エジプトでイスラム過激派によるテロ事件が止まらないことに比べ、イランはテロ事件がなく、また経済制裁緩和で国内に平和の機運が高まっていることの表れと考えられる。

 

 「アラブの春」の優等生と言われるチュニジアはMENAの中で世界順位がアップした数少ない国である(76位→64位)。但しスコアはごくわずかながらもダウンしている(-0.003)。このことから今回の平和指数ランキングでは世界の上位国と下位国のスコアがかなり上昇し、チュニジアのような中位国はスコアの下落が大きかったものと見受けられる。

 

 MENAの中で世界ランクが最低クラスの国を見ると、シリアは2年連続で最下位である。イラクも連続して世界161位にとどまっている。また内戦が止まないリビアとイエメンも前回の140台から今回は150位台とさらに順位を下げ、世界で最も安全度が低い国のグループに落ちている。

 

 (続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                                  E-Mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

                                 



drecom_ocin_japan at 09:23コメント(0)トラックバック(0)MENA  

トラックバックURL

コメントする

名前
URL
 
  絵文字
 
 
記事検索
月別アーカイブ
タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ