2017年06月01日
高い価格競争力:MENA(中東・北アフリカ)の旅行・観光産業競争力指数(2017年版)(7完)
(注)本シリーズは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0411MenaRank16.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その16)
2017.6.1
前田 高行
4.2009年~2017年(過去5回)の世界順位の比較
(表http://menarank.maeda1.jp/16-G02.pdf 参照)
旅行・観光産業競争力ランクは2009年以降隔年で公表されている。ここではMENA5か国UAE、トルコ、イスラエル、サウジアラビアおよびエジプトに加えMENAの平均順位と日本、米国、中国各国の過去5回の競争力順位の変遷を比較検討してみる。
今回MENAトップであったUAEは2009年は世界33位であった。UAEはその後、30位(’11年)→28位(’13年)→24位(‘15年)と毎年世界順位を上げた後、今回は29位に下がっている。しかし同国はMENAの中では突出して高い世界ランクを維持している。UAEとは対照的にイスラエルは2009年の世界36位から46位(’11年)→53位(’13年)→72位(‘15年)と世界順位を急速に下げ、トルコあるいはサウジアラビアにも追い抜かれている。但し今回(2017年)は61位に上昇、再びサウジアラビアを上回った。
エジプトもイスラエルとほぼ同様の傾向を示し2009年の64位から2013年には85位に下落、その後若干持ち直して2017年は世界74位であるが、未だ5年前の水準には達していない。トルコは2009年の56位から毎年わずかずつランクアップしており2013年以降は世界50位以内を維持している。サウジアラビアの場合は2009年の71位から2011年には62位に上昇したが、その後は停滞し2017年は世界63位である。
米国、日本および中国各国の推移を見ると、米国は安定して世界のベストテンに入っており、2015年は過去5年で最高の世界4位となっている。日本は2009年の25位から毎年急速に順位を上げており、2015年にはベストテン入りを果たし、今回は過去最高の世界4位にランクされている。中国も躍進が著しく2009年には世界47位と世界50位以内に入り、2013年から2015年にかけて一挙に世界45位から世界17位に急伸した。今回も世界15位であり、旅行・観光産業の競争力は世界レベルに達している。
(完)
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