2017年08月02日

停滞気味のMENAの直接投資:UNCTAD「世界投資レポート2017年版」(12)

(注)本シリーズは「マイライブラリ(前田高行論稿集」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0418MenaRank4.pdf

MENAなんでもランキング・シリーズ その4)

 

2017.8.2

前田 高行

 

4.FDI Outward Stock(FDIアウトバウンド残高) 

(UAE・イスラエルの2強とそれに続くサウジアラビア!)

(1)  2016年のFDI Outward Stock(FDIアウトバウンド残高) 

(表http://menarank.maeda1.jp/4-T07.pdf 参照)

 2016年末のMENA19カ国及び1機関(パレスチナ自治区)FDI Outward StockFDIアウトバウンド残高)は4,962億ドルである。全世界の対外投資残高26兆ドルに占める比率は1.9%でMENA各国の対外投資は他の地域に比べて低い水準にとどまっている。

 

 FDIアウトバウンド残高が最も多い国はUAEの1,113億ドルであり、これに次ぐのがイスラエルの1,021億ドルで投資残高が1千億ドルを超えるのはこの2か国だけである。第3位はサウジアラビアの804億ドル、第4位はカタールで同国のアウトバウンド残高は512億ドルである。残高が500億ドルを超えるこの4カ国でMENA諸国全体の残高の7割を占めている。これら4か国の残高はいずれも前年末を上回っており対外投資が引き続き活発であることを示している。

 

これら4か国に次ぐのがトルコ(380億ドル)、クウェイト(313億ドル)であるが両国はいずれも昨年より減少しており、特にトルコの減少幅は66億ドルに達する。7位以下はリビア(206億ドル)、バハレーン(148億ドル)、レバノン(135億ドル)と続き10位のオマーン以下は100億ドル未満である。

 

上位10か国のうち6カ国(UAE、サウジアラビア、クウェイト、カタール、バハレーン、オマーン)はGCC加盟国であり、2000年以降の原油価格高騰により生まれた豊富なオイルマネーが外国投資に振り向けられた結果と言えよう。なおクウェイトの場合、FDIインバウンドは単年度及び累積残高ともMENA諸国の中でも低いレベルにとどまっているのに対し(1、3章参照)、FDIアウトバウンドは単年度ではMENA4位(その2参照)、残高では6位であり、オイルマネーが継続的に国外に向かっていることを示している。

 

残高が100億ドル未満の国は、オマーン(84億ドル)、エジプト(72億ドル)、モロッコ(54億ドル)、イラン(37億ドル)、イラク(24億ドル)、アルジェリア(19億ドル)等があり、イエメン、ヨルダン、パレスチナ自治政府、チュニジア及びシリアは投資残高が10億ドル未満である。

 

 なお日本、米国、中国のアウトバウンド残高は各々1.4兆ドル、6.4兆ドルおよび1.3兆ドルであり、日本、中国はMENA1位のUAEの10倍、米国は約60倍である。

 

(続く)

 

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        前田 高行         183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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drecom_ocin_japan at 17:31コメント(0)MENA  

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