2017年10月11日

5年連続でランクを落としたサウジアラビア:世界競争力ランキング(2017-2018年版) (2)

(注)本シリーズは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0423MenaRank15.pdf

(MENA
なんでもランキング・シリーズ その15)

 

2017.10.11

前田 高行

 

(MENAトップはイスラエル!)

2.MENA16カ国の世界競争力ランキング

(http://menarank.maeda1.jp/15-T01.pdf 参照)

2017-2018年競争力ランキングではMENA19か国のうち16カ国がランク付けされている。MENAトップはイスラエルで同国の世界順位は16位である。昨年は世界24位でUAE、カタールに次いでMENA3位であったが、今年は一挙にトップに躍り出た。これに対して昨年MENAトップで世界16位であったUAEは今年はランクを一つ落としイスラエルに次ぐ世界17位である。

 

カタールは昨年の世界18位から一挙に25位に転落した。カタールは今年6月にサウジアラビア、UAEなどから断交され経済的な苦境に立たされているが、本ランキングはそれ以前のデータに依拠しており、断交の影響は加味されていない。同国のランク下落は偏に同国の財政の根幹を成す石油・天然ガス価格が低迷していることが原因であり、UAEを含め次に触れるサウジアラビア、クウェイトなど湾岸産油国はおしなべて順位を下げている。

 

イスラエル、UAE、カタールに続くのはサウジアラビア(世界30位)、バハレーン(同44位)、クウェイト(同52位)の各国である。サウジアラビアは昨年より1ランク下がっている。クウェイトは昨年の38位から今回は一挙に50位以下に転落、順位の下落幅はMENA16カ国の中で最も大きく、今回の調査では石油・ガス資源に依存する湾岸諸国の競争力の低下が顕著である。

 

これに対してMENA諸国の中では非産油国の競争力の向上が目立っており、上記のごとくイスラエルは昨年よりも8ランク上がっており、地域の大国であるトルコ(55位→53位)、イラン(76位→69位)もランクを上げ、中でもエジプトは昨年の世界115位から今回は100位と大幅にランクアップしている。

 

 世界100位以下はエジプト、レバノン、イエメンの3カ国であり特にイエメンは世界最下位の137位にとどまっている。

 

因みに世界ランク1位は昨年同様スイスであり、2位に米国が続いている。日本は世界9位であり昨年の8位よりも順位を下げている。中国は27位でありカタールとサウジアラビアの中間に位置している。

 

(続く)

 

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        前田 高行         183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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drecom_ocin_japan at 08:48コメント(0)MENA  

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