2017年10月24日

世界主要国とMENAのGDP成長率 ・ 一人当たりGDP(IMF 2017年10月版)(2)

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
 http://mylibrary.maeda1.jp/0424ImfWeoOct2017.pdf

 

2017.10.24

前田 高行

 

(下方修正されたGCC諸国の成長率!)

2.前回(20174)と今回(201710月)の比較

(http://menadabase.maeda1.jp/1-B-2-08.pdf 参照)

(1) 世界および主要地域・国

 上述のとおり今回(WEO2017Oct)の全世界の成長率見通しは今年(2017年)が3.6%であり、来年(2018年)は3.7%である。これに対して前回(WEO2017Apr)の見通しでは2017年が3.5%、2018年は3.6%であり、両年とも前回より0.1%上方修正されている。

 

 2017年の見通しについて国・地域毎に前回と比較すると、国別では日本が0.3%上方修正され1.5%の成長率が達成されると見ている。中国、ドイツ、ロシア、韓国なども0.20.4%とわずかではあるが上方修正されている。これに対して米国の今年の成長率は前回(20174月)の予測よりは0.1%下がって2.2%と見込まれ、インドも0.5%低下の6.7%とされている。また地域別ではEU2.0%から2.3%にアップすると予測され、ASEAN-55.0%から5.2%と上方修正されている。一方MENA地域については2.6%→2.2%に下方修正されている。

 

来年2018年の予測については全世界の成長率は今年4月の予測3.6%に対して今回は3.7%とわずかながら成長率がアップする見込みである。地域別ではEU0.3%アップの2.1%に対しASEAN-5は横ばい、MENA0.2%ダウンして3.2%と見込まれている。国ごとに見ると米国が2.52.3%に見直され、ドイツ、ロシア、日本はそれぞれ+0.3%、+0.2%。+0.1%と上方修正されている。中国の2018年成長率は6.5%で前回の6.2%よりも改善されている。一方インドは7.7(前回4月見通し)7.4(今回10月見通し)と下方修正されている。世界最大のGDPを誇る米国は今年、来年と先進国の中では比較的高い成長率を維持する見通しである。

 

(2)MENA諸国

MENA各国の今年の成長率を前回4月と今回10月で比較すると上方修正した国と下方修正した国が混在している。上方修正した主な国はトルコ2.5%→5.1%、イラク -3.1%→-0.4%、リビア53.7%→55.1%、エジプト3.5%→4.1%などであり、一方下方修正されたのはイエメン5.0%→ -2.0%、クウェイト -0.2%→ -2.1%、カタール3.4%→2.5%の他、サウジアラビア、UAEなどの各国も下方修正されている。トルコ、エジプトなどの非産油大国が好調であるのに対して、GCC産油国の経済が停滞している。

 

さらに来年(2018)の成長率予測を今回と前回で比較すると、こちらも上方修正と下方修正が相半ばしている。しかしリビア(3.0%31.2%)あるいはイエメン(13.7%8.5)の特殊な例を除くと殆どの国は前回の見通しを踏襲している。なおサウジアラビア及びUAEは今年及び来年ともに今回10月の見通しは前回より下方修正されており、IMFは厳しい評価を下している。

 

(続く)

 

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        前田 高行         183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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drecom_ocin_japan at 09:01コメント(0)MENA  

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