2017年10月27日

世界主要国とMENAのGDP成長率 ・ 一人当たりGDP(IMF 2017年10月版)(5完)

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
 http://mylibrary.maeda1.jp/0424ImfWeoOct2017.pdf

2017.10.27

前田 高行

 

5.世界および主要地域・国のGDP成長率の推移(2014~2018年)

(http://menadabase.maeda1.jp/1-B-2-11.pdf 参照)

(http://menadabase.maeda1.jp/2-B-2-04.pdf 参照)

 

(世界の平均成長率は3%台半ばで推移、成長率が低下し続ける中国!)

(1)世界および主要な地域・国

 2014年(実績)から2018年(予測)までの5年間の経済成長率の推移を見ると世界全体では3%台半ばで推移しており今年は3.6%、来年は3.7%とみられている。

 

地域別で見ると2014年に4.6%の成長率を達成したASEAN-5か国はその後も他の地域を大幅に上回り、また年々成長率が高まり、今年及び来年は5.2%と予測されている。産油国を多く抱えたMENA地域は石油価格によって影響を受けやすく2014年の2.6%から2016年は5.1%まで上昇したものの今年は一転して2.2%に減速する見通しである。そしてIMFでは来年(2018年)は3.2%に回復すると予測している。

 

 主要国では日本の成長率は2014年の0.3%を底に2015年から2017年までは1.0~1.5%の成長を続けるが、来年は0.7%に減速、いずれにしても以下に述べるとおりインド、中国にははるかに及ばず、米国、ドイツなどと比べても見劣りする低い成長率にとどまっている。

 

米国の経済は先進国の中でも特に好調であり5年間を通じてほぼ2%台の成長を維持している。 中国は2014年の成長率が7%台であったが、2015年以降は6%台に低下しており、5年間で見ると2014年の7.3%が2018年には6.5%と成長率が鈍化している。これに対してインドは5年間で7.5%(2014年)→8.0%(2015年) →7.1%(2016年) →6.7%(2017年) →7.4%(2018年)と今年以外は中国の成長率を上回るり、5年間を通じて7%前後の高い成長を維持している。ロシアは2015年( -2.8%)、2016年( -0.2%)2年連続のマイナス成長に陥り、今年、来年は漸くプラス成長(+1.8%及び+1.6%)に転ずる見通しである。

 

(成長率が急激に低下しているサウジアラビア)

(2)MENA諸国

 MENAでGDPが最大のトルコは2014年(5.2%)、2015年(6.1%)と高い成長率であったが、2016年には3.2%に減速、今年は5.1%と勢いを取り戻している。但し来年は再び3.5%に落ちる見通しである。トルコに次ぐGDP大国で世界最大の産油国であるサウジアラビアの5年間の成長率(実績・予想)は3.7%(14年)→4.1%(15年)→1.7%(16年)→0.1%(17年予想)→1.1%(18年見込み)であり、2014年から今年までは急激に成長率が低下している。

 

 サウジアラビアを含むGCC6か国の平均成長率も3.1%(14年)→3.4%(15年)→2.6%(16年)→0.7%(17年見込み)→2.9%(18年予想)と今年の成長率は5年間の中で最も低い。同じ産油国でもイランは2014年の4.0%から2015年にはー1.6%のマイナス成長に陥ったあと、昨年(2016年)は12.5%と高い成長を達成、今年、来年と3%台後半の成長が見込まれている。

 

()

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp



drecom_ocin_japan at 20:43コメント(0)MENA  

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
記事検索
月別アーカイブ
タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ