2017年12月04日
堅実なUAE、低迷するサウジアラビア-MENA(中東・北アフリカ)の「ビジネス環境」(2018年版)(2)
(注)本シリーズは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0427MenaRank13.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その13)
2.MENA8割の国が前年より順位下落
(表http://menarank.maeda1.jp/13-T01.pdf 参照)
MENA諸国の中でビジネス環境が最も良いのはUAEで世界順位は21位であり昨年(26位)よりも5ランク上がっている。同国の順位は日本(34位)よりも高くMENAの中でも順位が飛び抜けて高い。UAEに続くのはイスラエル54位、トルコ60位、バハレーン66位、モロッコ69位、オマーン71位、カタール83位、チュニジア88位、サウジアラビア92位である。サウジアラビアは世界190カ国のうちすれすれで上位グループに入っている。
MENA10位のクウェイトの世界ランクは96位であり、11位のヨルダン以下MENAの半数は世界100位以下にとどまっている。それらを順に列挙すればヨルダン(同103位)、パレスチナ自治政府(同114位)、イラン(同124位)、エジプト(同128位)、レバノン(同133位)、アルジェリア(同166位)、イラク(同168位)、シリア(同174位)、リビア(同185位)、イエメン(同186位)であり、リビア及びイエメンは世界最下位のソマリア(190位)をわずかに上回るに過ぎない。
ちなみにMENAの世界平均順位は昨年同様109位である。またUAE、イスラエル、トルコなどの上位グループとイラク、シリア、リビア、イエメンなど下位グループとの格差は大きい。イラク及びリビアはUAE、カタール、サウジアラビアと同様産油国であるが内戦状態のシリア、イエメンと並びビジネスビジネス環境の評価は極めて悪い。
世界1位は昨年と同じニュージーランドである。韓国が4位、そして米国は6位に入っている。日本は世界34位でありMENAのUAEよりかなり低く、韓国との格差は大きい。因みに中国は世界78位で調査対象190カ国中では中位よりやや上に位置し、MENA諸国のカタール(83位)よりやや上位である。
(続く)
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