2017年12月13日
イスラエルを除きMENA諸国は全て100位以下:2017年版世界男女格差報告(2)
(注)本シリーズは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0430MenaRank8.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その8)
2.MENAの平均世界順位は127位、日本も144カ国中114位
(表http://menarank.maeda1.jp/8-T01.pdf 参照)
「2017年版報告書」は、上記の方法(前項1参照)により144カ国のそれぞれの総合指数を算出し順位付けを行ったものである。このうちMENAは16カ国が順位付けの対象となっている。今回調査対象とならなかったのはイラク、リビア、オマーン、パレスチナ自治政府の3ヶ国1機関である。
MENA諸国の世界ランクの特徴はイスラエルを除く15カ国が全て100位以下と言う極めて低いレベルにあることである。MENAトップのイスラエルは世界ランク44位である。イスラエルに続くのはチュニジア(世界ランク117位)であり、MENA各国の世界ランクは殆ど差が無い。
そしてUAE(120位)、バハレーン(126位)、アルジェリア(127位)、クウェイト(129位)の4カ国が120位台にひしめいている。世界でも最低クラスの130位以下にカタール(130位)、トルコ(131位)、エジプト(134位)、ヨルダン(135位)、モロッコ(136位)、レバノン(137位)、サウジアラビア(138位)とMENAの半数近くの国が130位台にひしめいている。さらに最下位クラスにはイラン(140位)、シリア(142位)及びイエメン(144位)の各国が並びイエメンは世界最下位である。MENAの世界平均順位は127位であり、イスラエル以外のMENA諸国は男女格差が大きく、男女平等が遅れた地域と言えよう。
ちなみに世界1位はアイスランドであり、2位以下にはノルウェー、フィンランド、ルワンダ、スウェーデンと続いている。ベスト・テンではアジアでただ1カ国フィリピンが10位にランク付けされている。これに対して日本は114位である。日本は米国(49位)に大きく後れをとっており、中国(100位)よりもさらに低いランクである。日本は男女格差が非常に大きな国であると評価されていることがわかる。
上記の世界ランクを昨年と比較すると、MENA諸国ではランクの上がった国が6か国、下がった国が8カ国、変わらなかった国が2か国である。これを指数の変化で見ると指数の上がった国が9か国、下がった国は5か国であり、世界ランクとは異なった様相を示している。このことからMENA以外の世界各国がMENA諸国を上回って指数がアップしており、MENAの男女格差の改善スピードが他の地域を下回っていることが解る。
ランクの上がり方が大きかったのはチュニジア(126位→117位)、バハレーン(131位→126位)、イスラエル(49位→44位)などがある。またUAE、サウジアラビアなどもわずかではあるが昨年より順位が上がっている。一方ランクを大きく下げた国は、カタール(119位→130位)、アルジェリア(120位→127位)の2カ国であり、エジプト、レバノン、トルコ及びイランなども1~2ランク下がっている。
(続く)
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