2017年12月22日
イスラエルを除きMENA諸国は全て100位以下:2017年版世界男女格差報告(6完)
(注)本シリーズは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0430MenaRank8.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その8)
5.中東5カ国と日米中の要素別比較(レーダーチャート)
(図http://menarank.maeda1.jp/8-G02.pdf 参照)
MENAの三大国(トルコ、エジプト、イラン)、GCC2カ国(サウジアラビア、UAE)及びMENA平均並びに日本、米国、中国3カ国を取り上げ、総合順位と4つの分野別順位(経済、教育、健康及び政治)をレーダーチャートで表してみる。レーダーチャートは最も外側が世界1位(つまり男女格差が世界で最も小さい)であり、以下中心に向かうほど順位が低くなる(即ち男女格差が大きい)。グラフの実線が外側に広がるほど男女格差が少ないことを示し、また真円に近いほど男女格差のバランスが取れていることを示している。
(1) チャート1(トルコ、エジプト、イラン)
トルコ、エジプト、イランは総合順位が世界131位、134位、140位といずれも低いランクにとどまっている。4つの分野の中では3カ国とも経済分野の男女格差がおしなべて悪く、また政治ランクもイランが136位、エジプト119位、トルコは116位にとどまっている。教育分野は3カ国とも100位台で(トルコ及びイランは100位、エジプト104位)である。健康は男女格差が比較的少ない分野であり、トルコは世界59位であるがエジプトは99位、イラン135位。
(2) チャート2(サウジアラビア、UAE及びMENA平均)
総合順位はUAE120位、MENA平均127位、サウジアラビア138位である。経済分野の男女格差はUAEが130位、MENA平均は129位であるがサウジアラビアは世界144カ国中では最低レベルの142位にとどまっている。政治分野はUAEが世界67位に対しサウジアラビアは124位で、MENA平均の113位を下回っている。教育分野ではUAEは世界62位で政治分野と並び世界の上位グループに入っている。健康分野はMENA平均が104位であるが、サウジアラビアおよびUAEは共に127位と低く、両国では男女間の格差が大きいことを示している。
(3) チャート3(日本、米国、中国)
総合順位では米国が49位であるのに対して、中国及び日本はそれぞれ100位、114位にとどまっており特に日本のランクの低さが目立つ。米国は教育の男女格差が世界1位であるが、その他の分野は経済の男女格差が世界19位、健康格差は世界82位、政治格差は世界96位である。中国は経済及び政治の分野では日本を上回っているが、教育及び健康の分野では日本を下回っており、特に健康の男女格差は世界最低の144位である。総合順位114位の日本は健康分野が世界1位でるが、経済及び政治の男女格差は米国及び中国よりも遅れており、特に政治分野の男女格差は世界123位であり、中国の77位、米国の96位を大きく下回っている。
(完)
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