2018年03月27日
油価上昇で貿易バランス再び悪化の兆し―MENA(中東・北アフリカ)の対日貿易(2017年版)(4)
(注)本稿は「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0436MenaRank10.pdf
(MENAなんでもランキング・シリーズ その10)
2.MENAと日本の2017年の輸出入(続き)
(石油・LNGの輸入で日本の輸入超過6兆円!)
(3)輸出入バランス
(表http://menarank.maeda1.jp/10-T01.pdf 参照)
(図http://menarank.maeda1.jp/10-G02.pdf 参照)
MENA全体の貿易バランスは5.6兆円の輸入超過である。これは言うまでもなく石油或いは天然ガスの輸入によるものであり、特にサウジアラビア(-2.7兆円)、UAE(-1.5兆円)およびカタール(-1兆円)、クウェイト(-5千億円)並びにイラン(-3千億円)の産油(ガス)5カ国に対する輸入超過額が大きい。5カ国の輸入超過合計額(6.1兆円)だけでMENA全体の輸入超過額を超えている。昨年のMENAからの輸入超過額3.6兆円から大幅に増えているが、これは原油・天然ガスの価格が上がったためである。
一方日本の輸出超過となっている国はトルコ、エジプトなど9カ国1機関である。いずれも超過額は輸入に比べて少ないが、比較的金額が大きいのはトルコ(2,800億円)、イスラエル(900億円)、エジプト(790億円)である。
因みに中国は3.6兆円の輸入超過でMENAの約3分の2であるが、米国は逆に7兆円の大幅な輸出超過となっている。
輸出入バランスを2016年と比較すると、日本全体では2016年の4兆円の輸入超過から2017年には3兆円に減少している。一方、日本とMENA諸国の貿易バランスは2016年の-3.6兆円が2017年には-5.6兆円と大幅に増加している。
(続く)
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